8月は、少々暴力的な映画を3本観ました。
緊急事態宣言下ではありますが、夏休みのためか、映画館には子どもがあふれていました。
ロビーが騒がしいのも、なんだか久しぶりです。
『共謀家族』
投資金額:1200円
中国映画『共謀家族』は、韓国映画『パラサイト』のようなものかも、と思って観に行きました。
実際は、笑える要素はなく、どちらかというと『相棒』的な世界観の映画でした。
街の権力者のバカ息子を、妻と娘が殺してしまったことを知った父は、映画で学んだ知識を駆使して、なんとか罪を逃れようとします。
家族全員でアリバイをつくり、口裏合わせをし、政治も利用して、いったんは容疑から外れます。
しかし、最終的に父は罪を認め、妻と娘の代わりになります。
父は、中国移民ですが、仏教に深く帰依していて、日々のお布施を欠かしません。
ところが、殺人のアリバイ作りを行ったあとに、お布施をしようとすると、托鉢僧から「見返りを求めるお布施は受け取れない」と言われてしまうのです。
さらに、殺したと思っていたバカ息子が、実は息を吹き返していたことも後日わかり、父は思い悩んだ結果、すべての罪を自分がかぶることで決着させようとするのです。
思春期の娘と疎遠になっていたのに、こんなことで信頼関係を築くとは、と嘆く父の気持ちには涙します。
なかなか見応えのある映画だと思います。
とはいえ、中国政府筋のお金も入っている感じなので、中国国民に向けたメッセージが隠されていることは間違いなさそうです。
中国人の、忌憚ない解説を伺いたいと思いました。
『孤狼の血 LEVEL2』
投資金額:1200円
松坂桃李さん主演、『孤狼の血』に続く2作目です。
前作では、松坂桃李さんは、大卒の真面目な警官だったはずですが、すっかりマル暴らしく成長されています。
圧巻は、狂犬と言うより野獣といったほうが似合っている鈴木亮平さんでしょう。
全編にわたって、ビースト・鈴木亮平さんが、振り切った悪を演じていて、ラストの殺し合い(といったほうが良いと思う)は、観客の身体にも力が入るような気がしました。
とはいえ、暴対法以前の広島のことであり、こういう暴力的な作品は、設定を30年前に戻さないと作れないということのようです。
今年1月に公開された『ヤクザと家族 The Family』は、暴対法施行後を描いているため、暴力よりも、むしろ悲哀が漂う作品でした。
『孤狼の血 LEVEL2』をみて、映画の設定が同じ暴対法以前の映画『日本で一番悪い奴ら』を思い出しました。
ちなみに、原作者の柚月裕子さんが、出演したいたようです。
年齢とセリフから考えると、序盤に登場したクラブのママ役かもしれません。
『鳩の撃退法』
投資金額:1500円
佐藤正午さん原作の『鳩の撃退法』を映画化したもの。
文庫で上下巻という大作で、富山編と高円寺編という感じです。
原作は、文字が多くて、登場人物も多く、説明も多いような足りないような、という印象ですが、面白いという感想を持った記憶があります。
原作を読むとわかるのですが、これを映像化するのは、けっこう大変なのでは?という感じです。
映画を観て、「よくまとめたな」と思いました。
逆に、映画だけでは、原作の不可解さ、面白さが半減かもしれません。
ダラダラと書き続ける作家・津田修一のことが、映像だとあまり伝わってこないような・・・。
藤原竜也さんは、こういうダメな感じの男を演じるのが、本当にうまいと感じるのですが、それでも文面から伝わってくる津田修一とは、ちょっと違うような感じもして、うーん。
藤原竜也さんは、3月に観た『太陽は動かない』の鷹野も良かったですが、こちらの津田も良かったです。
映画を観る前に、原作を読んでいると、ちょっぴりクスッと笑えます。
8月はここまで。
9月も観たい映画が目白押しなので、楽しみです。
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