あけましておめでとうございます。
2019年、最初の投稿となります。
1月5日~6日と、水戸京成百貨店様のご協力のもと、常磐大学 経営学科の3年生が、販売促進のイベントを行っておりました。
総勢34名、2グループが、昨年の4月から考え、イベントの実行のために時間をかけてきた集大成です。
おかげさまで、ファッションショーによる販促イベントをおこなったグループは2日間で50万円超え、タオルアートとアロマワックスバーをつくるという販促イベントをおこなったグループは20万円超えという結果を残しました。
このような販促イベントを、京成百貨店様で実施するようになって9回目となります。
今回は、この販促イベントを通じて、学生たちはどのように変化していくのか、についてまとめておきたいと思います。
ひとつは、なんにでも積極的でおしゃべりも上手な学生たち。
2つ目は、とにかくまじめで、効率よく大学を卒業しようとする学生たち。
3番めは、まじめなのですが、コミュニケーション能力に自信がない学生たち。
自分たちですべてを作り上げていく販促イベントを実施、課題をクリアすることが、ビジネス専門演習の目的なので、積極的でおしゃべりも上手な学生にとっては、やっていて楽しい内容です。
しかし、授業時間外に、グループ内で打ち合わせ、資料作り、Webプロモーションを行ったりするので、大変な労力がかかります。
なので、そういう作業を楽しめるかどうか?がポイントになります。
まじめで効率よく単位を取りたいという学生は、手間のかかる授業を敬遠するので、販促イベントを企画して実行しようとは考えません。
そのため、積極的でコミュニケーション上手な学生と、コミュニケーション能力に自信はないけどやってみたいという学生が集ってきます。
そんな学生たちのなかで、もっとも成長するのが、コミュニケーションに関する能力です。
質問しても、周囲の人に聞こえる声で話ができなかった、自信のない学生たちが、販促イベントを実施し、課題をクリアすることによって、話をすることができるようになります。
たぶん、自信がつくのだと思います。
自分に自信があれば、積極的に発言し、行動することができるようになります。
そういう変化のきっかけに、この授業が貢献していると考えています。
しかし、販促イベントの2日間を通じて、学生たちの責任感が強まります。
現実にイベントが始まるまでは、学生たちは「なんとかなる」と軽く考えています。
しかし、実際に接客して、売上をあげようとすると、自分たちの考えが甘いことに気づきます。
販促イベントでは、目標となる予算は企画段階で決まっているので、予算を達成することが第一の目標になります。
予算に対して、現在の進捗状況はどうなのか、数字面の把握をすることが最も大切なことになりますが、それに気づく学生は、ほとんどいません。
事前に注意していても、です。
当日になって、「今、いくらくらい?」と聞かれて気づく、というのが現実です。
これは、アルバイトとして無責任な働き方をしている学生ほど、その傾向が高く、数字の把握にむとんちゃくです。
しかし、これを裏返して見てみると、バイト先で、「目標を共有する」「数字を把握する」ということを求められていない、求めない働き方をさせられているから、とも考えられます。
グループの全員が、予算達成という目標に対して一丸となることができて、やっと予算達成が可能になります。
責任感とは、一人ひとりのものではなく、グループ全体で考え、行動することで果たせるものだと理解できた学生は、たった2日間のイベントのなかでも、グンと成長します。
が、4年前くらいまでは、就活には大きな壁がありました。
しかし、この販促イベントを経験した学生たちは、スムーズに就職活動をすすめ、内定を決めていきました。
面接で、この販促イベントで自分が何をしたのか、何を学んだのかを話せば、担当者が「この学生は使えそうだ」と感じてくれます。
他の学生が、サークルや部活、せいぜいがアルバイト先での経験を中心に話すなか、授業で、学生が考えた企画を、実際に京成百貨店という場を借りて、販促イベントを行うわけですから、経験の内容、質のレベルが違います。
毎年、わたしは学生に言いますが、こんな経験ができる学生は、日本中さがしても他にはいないと思います。
それだけ、高度なことを経験できているわけですから、就職氷河期にあっても、ほとんどの学生が就職を決めていきました。
ビジネス専門演習を経験する前の自分と、経験したあとの自分では、考え方も、世の中の見方も全然ちがうというのです。
うれしいことに、毎年、京成百貨店には卒業生がきてくれます。
後輩の様子をみたい、今年はどんなことをやっているのだろう、という好奇心があってのことです。
それだけ、学生時代の記憶といえばビジ専、という卒業生が多いということでもあります。
もちろん、なかにはネガティブな記憶しかなく、人生の汚点のように感じている学生もいます。
そんな学生は、販促イベントに本音でぶつかることができず、最後までグループに馴染めなかった学生でしょう。
グループワークの良いところは、この先も付き合っていける人間関係が構築できる可能性があることです。
ともに苦しみ、本音を言い合い、ときにはケンカもすることで、相手の本質が見えてきます。
良い点も悪い点も乗り越えて、やっぱり友達、といえる関係を作ることが可能です。
そのためには、自分をさらけ出す瞬間が必要なのではないでしょうか。
それができるかどうかで、その先の人生が変わるのだと感じます。
今年も、卒業生がやってきて、イベント終了後の飲み会にも参加してくれました。
彼は、いつも「二度とビジ専はやりたくない」と言いますが、ビジ専を通じて知ったこと、経験、そして友人関係が、自分にとっての財産だと考えてくれています。
4年生のときには、3年生をサポートする4年生チームのリーダーを、彼は努めてくれました。
3年生を、前年に経験した4年生がサポートするという形は、わたしが担当するビジネス専門演習だけで行われている仕組みです。
4年生が、次年度のサポートリーダーを指名する、という形で継続しています。
この仕組によって、経験者でなければ気づかないこと、注意事項などが、スムーズに伝わるという効果があります。
そして、3年生をサポートすることで、「自分でできない」「やりたくても手を貸せない」、いわゆる中間管理職の気持ちを、4年生には知ってもらうことができます。
先輩もいれば、後輩もいて、その関係のなかで仕事も人生も進行していくということを、理解してほしいと考え、毎年4年生には「君たちは中間管理職のつもりで対応してください」と言っています。
新卒で入社したからといって、いつまでも新人ではありません。
先輩として面倒をみることで、後輩がどんどんできていくことを実感してほしいのです。
卒業生の中で、サポートを行ってくれた4年生を中心に、LINEのグループを作っていますが、60人を越えました。
たくさんの学生、卒業生に支えられ、そして京成百貨店の方々の協力があって、はじめて成立する販促イベントです。
そのことだけは忘れずに、最後の報告会までがんばってほしいと、毎年伝えるようにしています。
3年生全員に伝わっているかどうか、多少の不安はありますが・・・。
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2019年、最初の投稿となります。
1月5日~6日と、水戸京成百貨店様のご協力のもと、常磐大学 経営学科の3年生が、販売促進のイベントを行っておりました。
総勢34名、2グループが、昨年の4月から考え、イベントの実行のために時間をかけてきた集大成です。
おかげさまで、ファッションショーによる販促イベントをおこなったグループは2日間で50万円超え、タオルアートとアロマワックスバーをつくるという販促イベントをおこなったグループは20万円超えという結果を残しました。
このような販促イベントを、京成百貨店様で実施するようになって9回目となります。
今回は、この販促イベントを通じて、学生たちはどのように変化していくのか、についてまとめておきたいと思います。
積極的になる
大学で非常勤講師として、学生たちと接していると、学生たちは3つくらいのグループに分けることができます。ひとつは、なんにでも積極的でおしゃべりも上手な学生たち。
2つ目は、とにかくまじめで、効率よく大学を卒業しようとする学生たち。
3番めは、まじめなのですが、コミュニケーション能力に自信がない学生たち。
自分たちですべてを作り上げていく販促イベントを実施、課題をクリアすることが、ビジネス専門演習の目的なので、積極的でおしゃべりも上手な学生にとっては、やっていて楽しい内容です。
しかし、授業時間外に、グループ内で打ち合わせ、資料作り、Webプロモーションを行ったりするので、大変な労力がかかります。
なので、そういう作業を楽しめるかどうか?がポイントになります。
まじめで効率よく単位を取りたいという学生は、手間のかかる授業を敬遠するので、販促イベントを企画して実行しようとは考えません。
そのため、積極的でコミュニケーション上手な学生と、コミュニケーション能力に自信はないけどやってみたいという学生が集ってきます。
そんな学生たちのなかで、もっとも成長するのが、コミュニケーションに関する能力です。
質問しても、周囲の人に聞こえる声で話ができなかった、自信のない学生たちが、販促イベントを実施し、課題をクリアすることによって、話をすることができるようになります。
たぶん、自信がつくのだと思います。
自分に自信があれば、積極的に発言し、行動することができるようになります。
そういう変化のきっかけに、この授業が貢献していると考えています。
責任感が強まる
グループワークはミツバチの集団みたいなもので、はじめから一生懸命な学生もいれば、終始一貫して何をやっているのかわからない学生もいます。しかし、販促イベントの2日間を通じて、学生たちの責任感が強まります。
現実にイベントが始まるまでは、学生たちは「なんとかなる」と軽く考えています。
しかし、実際に接客して、売上をあげようとすると、自分たちの考えが甘いことに気づきます。
ときわんこ出動中! |
販促イベントでは、目標となる予算は企画段階で決まっているので、予算を達成することが第一の目標になります。
予算に対して、現在の進捗状況はどうなのか、数字面の把握をすることが最も大切なことになりますが、それに気づく学生は、ほとんどいません。
事前に注意していても、です。
当日になって、「今、いくらくらい?」と聞かれて気づく、というのが現実です。
これは、アルバイトとして無責任な働き方をしている学生ほど、その傾向が高く、数字の把握にむとんちゃくです。
しかし、これを裏返して見てみると、バイト先で、「目標を共有する」「数字を把握する」ということを求められていない、求めない働き方をさせられているから、とも考えられます。
グループの全員が、予算達成という目標に対して一丸となることができて、やっと予算達成が可能になります。
責任感とは、一人ひとりのものではなく、グループ全体で考え、行動することで果たせるものだと理解できた学生は、たった2日間のイベントのなかでも、グンと成長します。
就活がスムーズになる
最近は、就職環境が改善して、新卒採用に積極的なので、就活で困る学生は少なくなりました。が、4年前くらいまでは、就活には大きな壁がありました。
しかし、この販促イベントを経験した学生たちは、スムーズに就職活動をすすめ、内定を決めていきました。
面接で、この販促イベントで自分が何をしたのか、何を学んだのかを話せば、担当者が「この学生は使えそうだ」と感じてくれます。
他の学生が、サークルや部活、せいぜいがアルバイト先での経験を中心に話すなか、授業で、学生が考えた企画を、実際に京成百貨店という場を借りて、販促イベントを行うわけですから、経験の内容、質のレベルが違います。
毎年、わたしは学生に言いますが、こんな経験ができる学生は、日本中さがしても他にはいないと思います。
それだけ、高度なことを経験できているわけですから、就職氷河期にあっても、ほとんどの学生が就職を決めていきました。
人生が変わる学生も
そんな学生の中には、人生が変わった、と感じている卒業生もいます。ビジネス専門演習を経験する前の自分と、経験したあとの自分では、考え方も、世の中の見方も全然ちがうというのです。
うれしいことに、毎年、京成百貨店には卒業生がきてくれます。
後輩の様子をみたい、今年はどんなことをやっているのだろう、という好奇心があってのことです。
それだけ、学生時代の記憶といえばビジ専、という卒業生が多いということでもあります。
東京新聞 |
もちろん、なかにはネガティブな記憶しかなく、人生の汚点のように感じている学生もいます。
そんな学生は、販促イベントに本音でぶつかることができず、最後までグループに馴染めなかった学生でしょう。
グループワークの良いところは、この先も付き合っていける人間関係が構築できる可能性があることです。
ともに苦しみ、本音を言い合い、ときにはケンカもすることで、相手の本質が見えてきます。
良い点も悪い点も乗り越えて、やっぱり友達、といえる関係を作ることが可能です。
そのためには、自分をさらけ出す瞬間が必要なのではないでしょうか。
それができるかどうかで、その先の人生が変わるのだと感じます。
現場で微調整も |
今年も、卒業生がやってきて、イベント終了後の飲み会にも参加してくれました。
彼は、いつも「二度とビジ専はやりたくない」と言いますが、ビジ専を通じて知ったこと、経験、そして友人関係が、自分にとっての財産だと考えてくれています。
4年生のときには、3年生をサポートする4年生チームのリーダーを、彼は努めてくれました。
3年生を、前年に経験した4年生がサポートするという形は、わたしが担当するビジネス専門演習だけで行われている仕組みです。
4年生が、次年度のサポートリーダーを指名する、という形で継続しています。
この仕組によって、経験者でなければ気づかないこと、注意事項などが、スムーズに伝わるという効果があります。
そして、3年生をサポートすることで、「自分でできない」「やりたくても手を貸せない」、いわゆる中間管理職の気持ちを、4年生には知ってもらうことができます。
先輩もいれば、後輩もいて、その関係のなかで仕事も人生も進行していくということを、理解してほしいと考え、毎年4年生には「君たちは中間管理職のつもりで対応してください」と言っています。
新卒で入社したからといって、いつまでも新人ではありません。
先輩として面倒をみることで、後輩がどんどんできていくことを実感してほしいのです。
卒業生の中で、サポートを行ってくれた4年生を中心に、LINEのグループを作っていますが、60人を越えました。
たくさんの学生、卒業生に支えられ、そして京成百貨店の方々の協力があって、はじめて成立する販促イベントです。
そのことだけは忘れずに、最後の報告会までがんばってほしいと、毎年伝えるようにしています。
3年生全員に伝わっているかどうか、多少の不安はありますが・・・。
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