『MASTERキートン』全39話を観ました。
浦沢直樹さんのコミックが原作のアニメです。
1話23分なのですが、情報がたっぷりの内容なので、見ごたえがあります。
まるで『相棒』の杉下右京?
『MASTERキートン』がアニメとして登場したのは1998年。
主人公の平賀=キートン・太一は、考古学者なのですが、ロイズ保険組合の調査員としても働いています。
さらに、SASに入隊し、のちにサバイバル教官としても英国陸軍に従事した経験があります。
さらに、動物学者の父と、イギリス貴族の母をもち、オックスフォード大学を卒業したエリートという設定です。
つまり、文武両道、そして生まれも育ちもよい、という主人公なのです。
名字からは、平賀源内の子孫?という想像もできます。
これらのキャラクター設定から思い起こすのが、ドラマ『相棒』の杉下右京です。
杉下右京も、東大出身のエリートであり、大学で教鞭をとるなど、多方面で活躍できる才能の持ち主。
いつだったかのスペシャルで、杉下右京の祖父と思われる人物が登場しているので、官僚の家系に生まれているようです。
平賀=キートン・太一と杉下右京に共通しているのが、不遇な境遇に置かれているということ。
平賀=キートン・太一は、自分の夢である考古学では職を得ることが難しいのですが、保険調査員としてはスペシャルな働きをします。
杉下右京は、捜査権のない刑事扱いされていますが、どんな難事件も解決してしまいます。
ヨーロッパを舞台に活躍
コミック連載は、1988年から1994年なので、日本はバブル経済まっさかりという時代背景のなか描かれています。
海外旅行は一般的になり、なかでもヨーロッパ旅行はあこがれでもありました。
ゆっくりとヨーロッパ旅行を2週間もすると、ツアーでも100万円程度はかかったかもしれません。
お金持ち日本人が世界に定着したころでもあり、そういう気分がアニメにも登場します。
そんな日本人を、ヨーロッパに導くようなコミックであり、アニメだといえます。
ロイズの保険調査員であり、考古学者という設定は、日本人にヨーロッパの歴史や文化を伝えるのに適した職業だと思います。
時代背景は、東西冷戦が終わりを告げたあたりなので、第2次世界大戦にかかわるエピソードが少なくありません。
ほのぼのとした気分で観られる
主人公の平賀=キートン・太一は、のほほんとした登場の仕方、緊迫した場面でも落ち着いていて、せっぱつまったところを見せない余裕があります。
飄々とした人物としてえがかれているためか、どのエピソードも、ほのぼのとした印象があります。
観たあとに嫌な気持ちにならない、むしろおおらかな気持ちになれるようなアニメ作品です。
保険調査員なので、バッドエンドもありそうなものですが、基本的にはハッピーエンドになっています。
観ていて安心できる、そんな作品です。
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