『鵜頭川村事件』のドラマ版を観ました。
1話45分ほど、全6話なので、正月のダラダラ時間でイッキ見できます。
『鵜頭川村事件』は、映画化された『死刑にいたる病』の原作者でもある櫛木理宇さんの小説のドラマ化作品です。
どちらも首都圏ではない場所で起こる事件という共通点があります。
因習とムラ・カースト
『鵜頭川村事件』は、ここ数年、作品数が増加している内容と、とても傾向が似ています。
・『ノイズ』
・『ガンニバル』
・『ヴィレッジ』
探せば、これらに似通った作品は、もっとたくさんあると思います。
横溝正史ワールド的な設定
これらの作品の共通点は、ムラの因習と、ムラ・カーストともいえそうな、固着した人間関係でしょうか。
『鵜頭川村事件』では、
- 山の中にある過疎のムラ
- 権力を握る2つのイエ
- 隠しておきたい因習
横溝正史ワールドみたいな設定なのですが、横溝正史ワールドが、ムラ・カースト頂点のイエのなかで起こる事件(相続関連のトラブル)だとすると、『鵜頭川村事件』は、ムラ・カースト頂点のイエの周辺で起こる事件という違いがあります。
横溝正史ワールドが、イエの内側に踏み込む内容だとすれば、『鵜頭川村事件』は因習に重きを置いた内容であり、イエというよりも、因習に関わった者たちへの復讐という違いがあります。
そういう意味では、『鵜頭川村事件』は映画『ヴィレッジ』との共通点が多いのかもしれません。
『ヴィレッジ』は、ムラの頂点にたつイエが興したゴミ処理場が舞台となっていますが、『鵜頭川村事件』は産廃処理場です。
この産廃処理場は、違法な処理も引き受けているのですが、過疎のムラでは、この事業を興した一族に誰も歯向かえません。
しかし、反感をもっているグループがあり、そんななかに失踪した妻を探しにやってくるのが、主人公の松田龍平さんです。
12年ごとに行う祭り
ムラでは、12年ごとに行われる祭りがあり、その巫女みたいな役を、ムラの少女が行います。
しかし、その少女には、とんでもないことが起こるのです。
このあたりの展開は、横溝正史ワールドそのもの。
そして、主人公の妻は、かつて巫女となった経験があり、今年の巫女役に選ばれた少女から相談を持ちかけられ、「逃げろ」とアドバイスしていたのです。
これが、ムラに伝わる因習ですね。
密室殺人事件
主人公がムラをおとずれた直後、豪雨があり、ムラは孤立してしまいます。
道は寸断され、電波はもちろん、電気もつかえない状態に置かれてしまうのです。
いわゆる密室がつくられるのです。
そして、殺人事件が起こるのですが、犯人はムラのなかの誰か。
主人公は、妻を探すなかで、犯人にたどり着くのです。
ドラマも良いのですが、櫛木理宇さんの原作小説を読みたくなる作品でした。
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