『三体』観ました! 2周しました。
ドラマ版は、原作のストーリーを損ねることなく、わかりやすい設定とキャラクターに置き換えられているようです。
中国発のSF大作で、原作となった小説はもちろんおもしろいのですが、長い上に、物理法則がどんどん登場してくるために、完全に理解できているか?といわれると、自信がまったくありません。
それでも、衝撃の作品であり、ラストでもあるのです。
そういう意味では、ドラマ版はほんとうにわかりやすく、コンパクトにまとまっていると思います。
1話60分前後、全8話ですが、何度も見返したくなる作品です。
『セント・エルモス・ファイアー』
最初に、わかりやすくするためにキャラクターが改変されている、と書きましたが、ドラマ版を観ていて、1985年公開の映画『セント・エルモス・ファイアー』を思い出しました。
若かりし頃のロブ・ロウとかデミ・ムーアが出演している映画で、大学卒業後のそれぞれの生き方、恋愛、友情などを描いています。
『三体』でも、重要人物である女性の娘で、物理学教授の教え子たちが登場します。
5人は、それぞれが優秀な物理学研究者でありますが、自分に自信がないもの、起業家として成功をつかもうとしているもの、基礎研究に邁進するもの、などなど、様々です。
その5人が、ドラマ版では主要なキャラクターであり、これに原作では重要な役どころとなっている刑事、そして三体に対する防衛作戦を指揮する男が加わります。
物語をわかりやすくするために、このようなキャラクター設定をしたのだと思われます。
登場人物のそれぞれが、まったくの赤の他人では、精神的な葛藤を描きたくても難しいでしょうし。
なにより、末期がんで余命短い男が、好きな女性のために、脳にだけなって宇宙を彷徨うなどという展開にしたかったから、同じゼミで競い合った仲間というベースが欲しかったのかもしれません。
原作では、この脳だけになった友人との再会が、とても重要になるので、シーズン2または3で、脳だけとなった友人が登場するのではないでしょうか。
コールドスリープ
原作小説の『三体』では、コールドスリープによって、主要な登場人物が数百年の時を経て、ふたたび登場してきます。
シーズン1ではすこしだけ紹介されていましたが、たぶんシーズン2では、コールドスリープが多用されるのではないでしょうか。
コールドスリープによって延命すれば、三体との戦いに最後まで参加可能です。
そして、登場人物を最小限におさめて物語をすすめないと、わかりにくいことこのうえないドラマになってしまうと思われます。
シーズン1で登場したキャラクターはそのままに、時間だけを進めることができるのが、コールドスリープという仕掛けです。
シーズン2はハッピーエンド?
シーズン1のラストは、「虫はどんなことをされても生きている、絶滅しない」というメッセージで終わりました。
ドラマの中で、三体から地球に送られたメッセージが、「You are bugs」というものであり、地球人は虫けらだ、と受け取れます。
それを受けてのラストであり、希望に満ちた終わり方でした。
原作は、どんどん崩壊し、エントロピーが増大した感じでしたが、ドラマ版では、いったいどういう展開になっていくのでしょうか。
次シーズンが待ち遠しいです。
原作の流れを壊さずに物語をつむいでいるようなので、原作にはないハッピーエンドとはならないと思うのですが・・・。
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