NHKで再放送されたドラマ『ハゲタカ』全6話を観たので、映画『ハゲタカ』も改めて観てみました。
Netflixでは7月31日までなので、まだ観ていない方はお早めにどうぞ。
NHK時代の大友啓史監督作品
『ハゲタカ』は、『るろうに剣心』の大友啓史監督が、NHK時代に手掛けた作品です。
主演は大森南朋さんです。
大森南朋さんは、この作品で一躍有名になったという記憶があります。
今では違和感なく観ることができますが、オンエア当時は、突然出現した外資系ファンドを率いる主人公という役柄に、あまり知られていなかった大森南朋さんがピタリとはまったという印象がありました。
原作は、NHK『英雄たちの選択』にも登場することがある真山仁さんです。
お金の話が好きなので、もちろん原作もすべて読破しています。
でも、ドラマもすばらしく、そして映画は大友啓史監督らしいラストなのです。
中国政府系ファンド VS. 独立系ファンド
ドラマシリーズを観てから映画を観てほしいとは思いますが、映画だけでも十分に楽しめます。
ドラマのなかで、アメリカ系ファンドに背いたことで解雇された主人公・鷲津は、自身の独立系ファンドを設立し、ドラマのなかでもEBO(Employee Buyout エンプロイー・バイアウト)を成功させます。
ここでドラマは終わるのですが、映画はその2年後、中国系ファンドからTOBを仕掛けられた日本を代表する家電メーカーが、ホワイトナイトを鷲津に依頼するところから始まります。
ホワイトナイトとして登場した鷲津ファンドでしたが、相手が損をしても良いと考える中国政府系ファンドと知り、戦略を転換します。
中国にとっては、国を挙げて家電メーカーを買収することで、技術力はもちろんのこと、特許などを手中に納めることができるという計算です。
新たな資金源と新しいアメ
鷲津は、新たな資金源にオイルマネーを引き入れます。
そして、中国政府系ファンドに対しては、新しいアメを与えるのです。
しかし、そのアメは腐ったアメで、とても食べられるものではなかった・・・、という顛末です。
映画の公開は2009年なので、その前年の世界的な経済危機を思い出せば、どんなアメなのかがわかります。
ヒールでも人間らしく
映画『ハゲタカ』で、鷲津を苦しめる中国系ファンドの代表・劉一華は、ある種の悪役(ヒール)なのですが、とても人間臭い面を持っています。
玉山鉄二さんが魅力的に演じているので、印象に残ります。
映画『ハゲタカ』を観るのは、たぶん3回以上なのですが、玉山鉄二さんが演じる劉一華の最後は忘れられません。
使い捨てにされた人間の末路を、これでもか、というくらいに見せてくれます。
また、そういうシーンに時間をかけるのが大友啓史監督作品らしいと感じます。
<関連の投稿>
コメント
コメントを投稿