『ヒヤマケンタロウの妊娠』観ました。
コミック原作のドラマで、1話25分、全8話という構成です。
男性も妊娠する世界で、男性が妊娠・出産を経験することについて、物語が広がっていくというドラマです。
人気が高ければ、シーズン2で子育て編が制作されるかもしれません。
人生に突然おとずれる転機
『ヒヤマケンタロウの妊娠』で描かれているのは、人生に突然おとずれる転機、ではないでしょうか。
ばりばり仕事をする広告会社のヒヤマケンタロウが、妊娠したことで感じる偏見、不都合な事柄などを描写しています。
設定として広告会社で働く、というのは、この物語を推進する要素として、かなり大きいと思います。
メーカー勤務だと、妊娠してもひっそりと堕胎して終わりになってしまいそう。
女性にとって当たり前が男性だとすべてが異常
妊娠・出産は、生物学的に女性の役割なので、女性の苦しみや不安、不都合が社会的に示されることは、いまでも少ないかもしれません。
ところが、男性が経験することで見えてくるものがある、という物語でもあります。
しかも、ヒヤマケンタロウ自身が、父親から生まれたという背景もあり、物語は単純なハラスメントの話ではなくなっていきます。
常識をアップデートする
このドラマの後半で描かれていくのは、固定観念や常識にとらわれてはいけない、ということのようです。
SEKAI NO OWARIの曲のなかで、「世間という悪魔」という詩があったと記憶しているのですが、ドラマのなかでも世間は怖い存在です。
しかし、一部には、常識にとらわれず、変化ととらえて前向きに対応する人々も登場します。
自分らしく生きることが、常識や世間の範囲内に収まらないことは多いですが、それを自分自身で肯定しよう、というテーマだったのかな、と思います。
仰々しくなく、ごく自然に語られているので、さらっとドラマを流してしまいそうになりますが、実は根源的なテーマを扱っている作品だと感じました。
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