【2020年10月に観た映画】『TENET』『望み』『鬼滅の刃』『スパイの妻』

10月は、すっごく観たい!という映画がなかったので、レディースデーに観に行ってきました。

『鬼滅の刃』のあとは焼き肉

そのため、今月は投資金額は少なめです。



『TENET』

投資金額:1200円

クリストファー・ノーラン監督の新作ですが、いわゆるタイムスリップ、タイムトラベルものです。

この手の映画は、それこそ掃いて捨てるほどあるので、あんまり新しさは感じません。

インセプション』がすごく良かったので、ちょっとがっかりかな~。


何度も観たい映画ではないです。

クリストファー・ノーラン監督は、単に、逆再生した映像をつかった映画が作りたかっただけなんじゃないか、と思ってしまいます。

逆再生をどれだけつかえるか、に挑戦したような印象です。


『望み』

投資金額:1200円

雫井脩介さん原作の『望み』の映画化作品。


思春期で、しかもケガでサッカーを辞めた息子が、ある日から帰らなくなります。

そして、一緒に遊んでいたと思われる友達が、死体となって発見され、行方不明の息子は犯人扱いされ・・・・。

『望み』というタイトルには、殺人者になってでも生きていて欲しいという母の想い、殺人者の家族にはなりたくないという妹の想い、そして冷静に事態を受け止めようとする父の想いなどが込められているようです。

親目線の映画であり、思春期の子どもを持つ親なら、誰しもこんな対応になるだろうと想像できる内容です。

そして、犯人扱いされていた息子が、実は被害者であることがわかり、周囲の人たちは手のひら返しします。

家族関係を緻密にリアルに描いていて、こういう事件が起こったら、こんなふうになるかも・・・、と思わせてくれます。

少年犯罪は、責任感の強い子、思いやりのある子ほど、親に事情を知らせない、知られたくないと思う、というような言葉が映画のなかで語られます。

親に相談しない子どもながらの矜持が、犯罪の深みへと誘うのだと思うと、やりきれないです。


『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』

投資金額:1200円

アニメシリーズの続編となる『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』。

アニメシリーズを観ていたときから感じていたのですが、『鬼滅の刃』は、とてもエモーショナルな作品で、観ていて涙する場面が多いと思います。

それは、登場人物の家族関係や育ちが、物語を構成する大切なエッセンスになっているから。

人は、相手のことをよく知ると、感情移入しやすいようです。


劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』では、煉獄杏寿郎が最後を迎えます。

列車と一体化した魘夢との戦いが終わったかと思ったら、煉獄杏寿郎と上弦の鬼との戦いが始まるのです。

公開初日から3日間で46億円の興行収入という、歴代最高を記録したのもうなづける、怒涛の展開です。

そして、登場人物の語る言葉が、とても深く、重いと感じます。

それらの言葉には、生きるうえで必要な知恵が、含まれているように思います。

また、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は、泣きたい人におすすめ。

10月に観た映画のなかでは、もっとも多量の涙がでました。


『スパイの妻』

投資金額:1200円

ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞(監督賞)を受賞したというので、観てみました。

普通は選ばないタイプの映画です。

関東軍の731部隊の実態を知った人物が、その証拠を持ってアメリカに亡命する、という物語です。

731部隊では、ペストやチフスなどの病原体の研究・培養、ノミなど攻撃目標を感染させるための媒介手段の研究など、生物兵器の開発を行っており、人体実験もしていたようです。

『スパイの妻』の良い点は、ともすれば戦争の悲惨さに走りがちなテーマを、夫婦の愛情に置き換えて語っていることでしょう。

また、主人公(高橋一生さん)が「自分はコスモポリタンである」と主張する点も、この時代だからこその言葉のように感じます。

現代は、誰しもがコスモポリタンになっておかしくないのに、むしろ自国主義、ナショナリストになりやすい傾向が強いとさえ言えます。

この映画の主眼は、ヒューマニズムはもちろんですが、コスモポリタニズムであることの大切さ、なのかもしれません。


今月公開された映画のなかで、『空に住む』はちょっと見たいんですけど、映画館で観たいか、というと、うーむ・・・。

なので、今月はここまで。

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