【2020年9月に観た映画】『事故物件』『青くて痛くて脆い』『窮鼠はチーズの夢を見る』『ミッドナイトスワン』

映画はけっこう観ているので、今月から、月ごとに観た映画と投資金額、感想などをまとめていきます。

『ミッドナイトスワン』のあとは蕎麦

まだ、9月は終わっていませんが、今月はもう映画館には行かないと思うので、書きますね。


『事故物件 恐い間取り』

投資金額:1200円

話題作は観るようにしていることと、中田秀夫監督のホラー作ということで、観ました。

中田秀夫監督の『スマホを落としただけなのに』『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』が良かったので、期待していたのですが、はっきり言って期待はずれ。

お金のかかった再現ドラマみたいでした。

おまけに、ほとんど怖くないし。

話題性に投資しているので、文句はありませんが、もうちょっとなんとかならんかったのでしょうか。

原作者であり、本物の事故物件に住んでいる芸人の松原タニシさんには、ある種の敬意を評しますけど。


『青くて痛くて脆い』

投資金額:1200円

事故物件 恐い間取り』が、「本当に怖かったらどうしよう」ということで、『事故物件 恐い間取り』のすぐ後に観たのが、『青くて痛くて脆い』です。



映画を観たあとに、原作を読み終えたのですが、映画にする必要あったかな?と感じました。

吉沢亮さんと杉咲花さんが出演しているので、それなりに見ごたえはありました。

でも、原作を読んでしまうと、映像化してわかりやすくしただけ、という感じです。

ちょっと残念でした。


『窮鼠はチーズの夢を見る』

投資金額:3100円(1900円+1200円)

コミックが原作の映画『窮鼠はチーズの夢を見る』は、2回観ました。

タイトルは、「窮鼠猫を噛む」ということわざと、フィリップ・K.ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』(映画『ブレードランナー』の原作)が合体しているのだと思います。

ストーリーは、ある意味、良くあると思うのですが、切り口がすごく良かったと思います。

行定勲監督が、原作の設定に頼っていなくて、細部にこだわって丁寧に作っているな、と。

たとえば、ゲイの今ヶ瀬が、大好きな大伴先輩の家に居候しているときはダウンジャケットを着ています。

たぶん、ユニクロじゃなくて、モンクレールかな?

このダウンジャケットは2着あって、交換して着てたりして、男同士だと着るものを共有するということが自然な感じで描かれています。

で、大伴先輩から離れると、今ヶ瀬は、古着っぽい感じのコートをズルズルっと着るわけです。

「付き合う相手でファッションが変わる」と言われることがありますが、説明っぽくなくって、観ている人が気づくか気づかないか、という感じなのです。

そういう意味で、何度も観たくなる作品です。

また、とても文学的な作品だと感じました。

もう一回くらい観に行きたい映画です。



『ミッドナイトスワン』

投資金額:1500円

午前中に観たばかりです。

観終わって、すぐに席を立つことができない人が、多く見られました。

草彅剛さんがトランスジェンダーを演じたことが話題ですが、この作品の本当のテーマは「才能」だと思います。


生まれながらの才能は、人を変え、環境を変えるということを描き出したのだと思います。

特に目標もなく生活しているトランスジェンダーの凪沙が、ネグレクトされている親戚の一果を引き取るところから物語ははじまります。

お金のために預かった一果が、バレエの才能があることを知り、凪沙は一果のために生きようとし、レッスンを続けられるように仕事を変え、果ては母になるために性転換手術も受けます。

その手術のために、凪沙はたぶん亡くなるのですが、凪沙のおかげで一果は才能を認められ、奨学金を受けて海外のバレエ学校に進学するのです。

人並み外れた才能をもった人物を応援したくなるのは、人間の本能なのかもしれません。

ミッドナイトスワン』は、泣ける、泣かせる、ずるい映画です。



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