「いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(3) (モーニング KC)」読了。
原発作業員として働く作者の体験をつづったもの。
ネタ切れとのことで、第3巻で、いったん「完」となります。
第3巻は、「いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1) (モーニング KC)」を描くことになった作者の気持ち、編集部への営業、大賞を取り掲載されるまでの様子が細かに描かれています。
また、発表直後の取材対応と、「いちえふ」作業の呼び出し待ちでじりじりする作者の気持ちが、時系列で表されています。
もちろん、1年半の待機を経て、現場に復帰します。
今回は作業ロボットのお世話係となるかたわら、いかに「カイゼン」していくか、という現場での工夫の様子がわかります。
いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(3) (モーニング KC) | ||||
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第3巻では、作者の、「いちえふ」への愛着といまだに避難生活を続けている方々への配慮、深い情愛が、前2作以上に感じられます。
被災地がどのように変化、復興しているのかを丹念に描きこみ、ページのあちこちで読者に理解を求めています。
このマンガがなければ、原発への誤解、福島への誤解が広まり続けたでしょう。
プチ情報として、地元新聞のかたわらに載っているような情報(温泉施設のリニューアルオープンなどの)まで押さえられており、とてもうれしく思いました。
そして、私が最もおもしろく感じたのは、作業現場での「カイゼン」の様子です。
まさしく、現場力の高い日本人の仕事ぶりだと思いました。
高線量の現場で働きながらも、いかにして被曝を低く抑えるか、がテーマです。
ロボットが作業するような場所ですから、人体への影響は甚大です。
それをいかに切り抜けるのか。
現場チームで検討し、チャレンジしてみる。
良い結果は、ノウハウとしてしっかりと引き継ぐ。
事故から3年以上経過し、体制が整ってきたからこその「カイゼン」活動なのでしょう。
また、ロボット作業はゲーム端末を使ったリモートコントロールのようですから、ゲーマーの方の力が、今後必要となるかもしれません。
☆ ゲーマー募集!いちえふでのロボット操作業務
なんて。
連載を継続していただきたいので、作者が次の作業に入っていただけるように祈ります。
[まとめ買い] いちえふ 福島第一原子力発電所労働記 | ||||
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