【乾 緑郎】 「完全なる首長竜の日 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)」


完全なる首長竜の日」を読了。

最初は、佐藤 健 の新作映画の予習のつもりで読み始めたのですが、途中からは夢中でした。

近未来といえば近未来、の日本で、こん睡状態にある患者と家族が、意識レベルでコンタクトができる技術、をつかえるという時代。

そこで、こん睡状態の弟とコンタクトを重ねる姉(人気漫画家)のお話です。

という触れ込みにつられて読んでいたので、こん睡状態の弟は佐藤 健が演じるんだろうな~、と勝手に思い込んで、半分ほど読んだとき、テレビでほんのちょっとだけ、この映画(「リアル」)の話が出てきて、健はこん睡状態ではない、というではないですか!?

そうなのか、これはそんなに単純な話ではないんだ!とやっと気づいて後半を読み始めると、なるほど、そういう仕掛けでしたか、とわかります。

テーマとしては、古くから様々な表現として描かれてきたものです。

それは映画のタイトル「リアル」が、ほぼネタバレなので、ここでは書きません。

小説として、エンターテインメントとして、相当な腕前と感じました。

本業が鍼灸師というのも、私好みです。
きっと、鍼灸師としての腕も相当良いのではないか、と思わせるくらいに達者な作家だと思います。


【映画化】完全なる首長竜の日 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

乾 緑郎 宝島社 2012-01-13
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