NHK教育 「ニッポンのジレンマ」

土曜はなんとなく眠れないときが多いのですが、そういう時にはテレビをつけて、なんかやってないかな~、とザッピングします。

そんなときに見つけたのが、NHK教育 「ニッポンのジレンマ」という番組です。今月は3回あり、先ほど3回目を途中から見ました。

多分第1回の時にちらっと見たのですが、その時は実験的な番組だな、と少しだけ見てチャンネルを変えてしまったのですが、今回はおもしろかったです。
テーマは「決められないニッポン ~民主主義の限界?」。

これはもう、日常的な場面で感じることなので、とても興味深いものでした。

以前、香港人で早稲田大学に留学していた学生がバイトに来てくれていましたが、その彼が、アジアでは民主主義は成立していない、という意味の話をしてくれました。
彼自身、他の留学生と話をしていて、そう感じたのだそうです。

彼が民主主義が成立していないと感じる点は、長幼の序、というアジア全体に蔓延する考え方で、これがあるために、現実的には個人の本当の意見を通すことが難しいことなのだそうです。
無記名投票である選挙ですら影響をうけますから、彼の意見は正しいと思います。

また一方で、企業を経営する友人が、在籍年数や役職に関係なく、意見が言い合える会社を作るために、人事制度にはかなり気を配っている、という話をしています。

放っておくと、勝手な思い込みで序列ができ、言いたいことを我慢してしまう人が多数現れるのだそうです。
これも日本的、アジア的問題だと思います。

では中国人はどうか、というと、巷間よく言われるようにアメリカ人だと感じます。
中国発の思想である儒教的思想は、中国では共産主義や文革で破壊されており、むしろ周辺諸国にその姿をとどめているのではないか、と強く感じるためです。

また、コミュニケーションにおいても、中国人は同僚を名前で呼びます。
日本だと役職か、または名字で呼ぶことが多いですよね。これも大きく異なる点です。

普段から仕事を通じて接触している中国人や香港人、アメリカ人、カナダ人、イギリス人などなど、彼らには彼らの流儀があり、肩が凝ることもありますが、日本人と違って、必ず決断し、前進しようとします。
彼らに言わせれば、日本人は「決められない」のではなく、「決めない」人達です。

今夜の「ニッポンのジレンマ」で記憶に残った参加視聴者のつぶやきのなかに、「ひとつに決めたら、他に選択肢を失うような気がする」という内容のものがありました。

これを見た瞬間に、アホか、と思いました。
ラーメン、焼き魚定食、焼肉、ソバが目の前にあれば、空腹が満たされるわけではありません。これらの中の何かを食べてこそ空腹が満たされ、そしてまたお腹が空くので、別のメニューを食べることができるのです。

日本人以外の人たちにとっての「決定」とは、食事のようなものなんです。
まずは決めて、やってみる。
ダメだったら、最初に決めたプランを捨てるか修正して、別のプランに移行する。

決めないことは立ち止まること、何も食べないことなので、彼らには、日本人が「決めない」態度を取ることが理解できません。
どうして食事しないの?空腹なんでしょう?と。

決めなければ選択肢はたくさんある、というのは「武士は喰わねど高楊枝」にも通じる感覚だな、とも思います。
武士は喰わねど高楊枝」は、もとは上方かるた、つまり大坂発のものなので、武士を揶揄したものだと思うのですが、最近の日本を見ているとまさに「武士は喰わねど高楊枝」という言葉が頭をよぎります。





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