FaceBookアプリのなかに、「Gross National Happiness (国民総幸福)」というものがあるらしいです。TechCrunchの記事に紹介があったので、早速FaceBookの紹介ページに飛んだら英語なので、TechCrunchの紹介記事のほうがわかりやすいかもしれません。
詳細は紹介記事にお任せするとして、”国民総幸福”というのは新しいキーワードかもしれないな、と思いました。
かつて”Gross National Cool (国民総かっこよさ)”という言葉をキーワードとして経済産業省がさかんに使っていました。このキーワードは、2001年春に日本に滞在していた米国のジャーナリスト、Douglas McGray が、2002年にForeign Policy誌に ”Japan's Gross National Cool” と題して書いた記事が始まりでした。アメリカ人はこういうものの見方をしやすい傾向があるのでしょうか。
記事のすべては読めないようですが、とりあえず探したところ、一部は読めるみたいなので、リンクをたどってみてください。
国のかっこよさが、経済的に、最終的には外交や防衛においても有効である、というのが”Gross National Cool ”をキーワードとした経産省のプレゼンの結論です。ジョセフ・ナイのソフトパワー論をベースにしたものなので、当然といえば当然です。今もこの論の延長上にアニメとか日本発のコンテンツが位置づけられています。
元に戻って ”Gross National Happiness (国民総幸福)” ですが、これは内向きの指標です。
幸福の尺度は人それぞれですから、何をもって幸せなのか、という議論がありますが、やはりこういう調査ってあるんですね。
電通総研が行っている「世界価値観調査」では主要国の価値観を調査・発表していますが、そのなかの幸福度についてhttp://www.worldvaluessurvey.org/ で発表されています。
図が小さいので、わかりにくかもしれませんが、上のマップは縦軸が幸福度、横軸が一人当たりGDPで、太い線が幸福度とGDPの平均的な関係性を意味しています。要するにこの太線の上はより幸福を感じている国で、下が幸福をあんまり感じない国、ということになります。残念ながら日本は幸福を感じにくい国のひとつとなっています。原典は ”Development, Freedom, and Rising Happiness” ですので、こちらをご覧ください。
社会に漂う閉塞感が幸せを感じにくい社会にしているという趣旨の論調もよく見ますし、日本人の自殺件数の多さもこういうことが理由なのではないか、という論調もあります。経済的な不安定さがこれに拍車をかけているのだとすれば、やはり日本は根底から作り変える必要がある時期なのではないかと感じます。
学生に対して、私はよく「君たちは不景気な時代に生まれて育った世代」といいます。マーケティングとか広告とかについて講義していると、どうしても時代性に触れることが多く、勢い世代論のようなものにまで踏み込みます。
平成生まれのデジタルネイティブは、本当に右肩下がりの中で成長してきていますので、明るい将来を信じることなどできないのも仕方がありません。そういう意味では不幸な環境の中、大人になってしまっている初めての世代が徐々に社会に出始めるわけです。彼らにとって、バブル世代はさぞかしうっとうしいことでしょうね。
このキーワードが世界不況の元凶のように思われている米国から出てきたことも、結局は経済的上昇(明るさ)が幸福度と関係性がある、ということだと思います。結局はお金なのかもしれません。なにしろ日本には「カネの切れ目が縁の切れ目」という言葉があるくらいですから。
最近は高校生が日本の大学ではなく、海外の大学に進学することを真剣に考える時代です。そして、このブログでも紹介していますが、30歳あたりから下の世代では、日本のマーケットを相手にしていないような活動へとシフトしています。お金のない日本、閉塞感のある日本より世界を相手にしようという、ひとつのトレンドでしょう。このままだと日本は急速に貧しくなるはずなので、若い世代が日本から離れるのも致し方なし、だと思います。
詳細は紹介記事にお任せするとして、”国民総幸福”というのは新しいキーワードかもしれないな、と思いました。
かつて”Gross National Cool (国民総かっこよさ)”という言葉をキーワードとして経済産業省がさかんに使っていました。このキーワードは、2001年春に日本に滞在していた米国のジャーナリスト、Douglas McGray が、2002年にForeign Policy誌に ”Japan's Gross National Cool” と題して書いた記事が始まりでした。アメリカ人はこういうものの見方をしやすい傾向があるのでしょうか。
記事のすべては読めないようですが、とりあえず探したところ、一部は読めるみたいなので、リンクをたどってみてください。
国のかっこよさが、経済的に、最終的には外交や防衛においても有効である、というのが”Gross National Cool ”をキーワードとした経産省のプレゼンの結論です。ジョセフ・ナイのソフトパワー論をベースにしたものなので、当然といえば当然です。今もこの論の延長上にアニメとか日本発のコンテンツが位置づけられています。
元に戻って ”Gross National Happiness (国民総幸福)” ですが、これは内向きの指標です。
幸福の尺度は人それぞれですから、何をもって幸せなのか、という議論がありますが、やはりこういう調査ってあるんですね。
電通総研が行っている「世界価値観調査」では主要国の価値観を調査・発表していますが、そのなかの幸福度についてhttp://www.worldvaluessurvey.org/ で発表されています。
図が小さいので、わかりにくかもしれませんが、上のマップは縦軸が幸福度、横軸が一人当たりGDPで、太い線が幸福度とGDPの平均的な関係性を意味しています。要するにこの太線の上はより幸福を感じている国で、下が幸福をあんまり感じない国、ということになります。残念ながら日本は幸福を感じにくい国のひとつとなっています。原典は ”Development, Freedom, and Rising Happiness” ですので、こちらをご覧ください。
社会に漂う閉塞感が幸せを感じにくい社会にしているという趣旨の論調もよく見ますし、日本人の自殺件数の多さもこういうことが理由なのではないか、という論調もあります。経済的な不安定さがこれに拍車をかけているのだとすれば、やはり日本は根底から作り変える必要がある時期なのではないかと感じます。
学生に対して、私はよく「君たちは不景気な時代に生まれて育った世代」といいます。マーケティングとか広告とかについて講義していると、どうしても時代性に触れることが多く、勢い世代論のようなものにまで踏み込みます。
平成生まれのデジタルネイティブは、本当に右肩下がりの中で成長してきていますので、明るい将来を信じることなどできないのも仕方がありません。そういう意味では不幸な環境の中、大人になってしまっている初めての世代が徐々に社会に出始めるわけです。彼らにとって、バブル世代はさぞかしうっとうしいことでしょうね。
このキーワードが世界不況の元凶のように思われている米国から出てきたことも、結局は経済的上昇(明るさ)が幸福度と関係性がある、ということだと思います。結局はお金なのかもしれません。なにしろ日本には「カネの切れ目が縁の切れ目」という言葉があるくらいですから。
最近は高校生が日本の大学ではなく、海外の大学に進学することを真剣に考える時代です。そして、このブログでも紹介していますが、30歳あたりから下の世代では、日本のマーケットを相手にしていないような活動へとシフトしています。お金のない日本、閉塞感のある日本より世界を相手にしようという、ひとつのトレンドでしょう。このままだと日本は急速に貧しくなるはずなので、若い世代が日本から離れるのも致し方なし、だと思います。
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