SUICAが世界を変える

昨日、日経SYSTEM創刊2周年企画の「ITアーキテクトのためのシステム設計フォーラム」に行ってきました。行ってきた、といっても最後の特別講演「JR東日本のIT・SUICA事業戦略」だけですが。
基本的に新しいもの好きなのですが、SUICAを使い始めたのが3年前、積極的に利用し始めたが今年の3月からなので、SUICAの全体像を勉強しておこう、と思ったのがきっかけです。

講演はIT・SUICA事業部 副本部長 椎橋彰夫氏によるもの。 この方は「Suicaが世界を変える JR東日本が起こす生活革命」という本を上梓した方です。多分、SUICAの育ての親みたいな方なのかもしれませんね。

この講演で印象的だったのは”オープン戦略”です。PASMOとの相互乗り入れが代表的なものですが、基本技術はすべてオープンで展開しすることで、利用者が飛躍的に増加しています。交通系の電子マネーなので、都内の電車やバスのすべてで利用できなければ、使いたいと思わないのは確かです。

”オープン戦略”の中には、利用できる媒体を増やす、ということもあります。携帯電話で利用できるようになっていますが、昨年2月から今年4月までで70万以上増加し、100万人を超えたのだそうです。
この増加には、おそらく今年3月の「モバイルSUICAでシンカンセン」が寄与しているものと思います。
実際私もこれでモバイルSUICAに変えました。新幹線は利用頻度が高いので、SUICAで利用できるのは大きなメリットです。次は在来線の特急でも利用できるようにしてほしいです。

SUICAの利用者は今年中に3000万人に達するようですが、これを支えるシステムの優秀さは、長年地道に作り上げてきたJR東日本の努力の一言に尽きると思いました。何しろ16年もかかっているんですよ、SUICAって。
最初は自社システムとして、改札の時間を短縮するのが目的だったのでしょうが、これを社会インフラの域にまで高めたのは、やはりJRという大きな交通網を持つ公的企業だったからなのだな、とも思いました。”オープン戦略”も、広域にわたる公共性が使命と考えたからこそ出てきた発想だと感じました。
優秀な方が集まる企業はすばらしいです。

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