アニメ『十二国記』は、小野不由美さんの原作小説も読破しているほど、大好きな物語です。
世界観がしっかりしているので、ブレがなく、その世界だからこそ成立する物語が複雑にからまっているというシリーズです。
アニメシリーズは、1話25分、全45話もありますが、観はじめたらやめられなくなります。
きちんと見るなら3日はかかるかもしれません。
今回で、たぶん3回目か4回目になりますが、何度観ても夢中になってしまいます。
すべてが卵から生まれる
『十二国記』の世界では、すべてが卵から生まれます。
人も卵果と呼ばれる卵から生まれるのですが、ときに「蝕」が起こり、卵果は蓬莱(日本)に流れて、人として誕生します。
これが胎果であり、この胎果のなかに、麒麟がいたり、王がいたりすることで、『十二国記』の世界と日本とが交差していきます。
麒麟が王を決める世界
アニメシリーズでは、慶国王として景麒(慶国の麒麟)に見出された中島陽子が主人公です。
日本では、誰からもよく思われたいと考える八方美人を演じていた陽子ですが、まったくわからない世界に突然投げ込まれ、自分とは何か、ということを獲得していきます。
いわゆる成長物語でもあります。
陽子の悩みや苦しみは、だれもが感じ考えることでもあり、心情的に馴染みやすいといえます。
多彩な登場人物
『十二国記』は、12の国と、黄海と呼ばれる麒麟が生まれ育つ島とで成り立っています。
つまり、12人の王と麒麟が登場します。
物語の中では、主に慶と雁、そして戴が語られていきます。
慶の王、雁の王と麒麟、戴の麒麟が、いずれも胎果であり、日本との関わりがあるため、物語の展開がおもしろくできるからでしょう。
しかし、原作を読むと、さらに多くの王、麒麟、そして王を支える人々が登場し、豪華絢爛な様相を呈しています。
また、人を陥れようとする罠、我欲に溺れる人がいるかと思えば、道を説く清廉な人々も登場してきます。
妖魔・妖獣
『十二国記』はファンタジー小説なので、人間ではないモノが多く登場します。
その最たるものが麒麟であり、半獣、人を喰う妖魔や妖獣なども、物語に彩りを添えます。
半獣では、陽子とともに旅をする楽俊。
妖魔では犬狼真君が騎乗する六太(雁の麒麟と同じ名前)が印象深い存在です。
泰麒が折伏する饕餮(とうてつ)は、泰麒の計り知れない力の象徴ともいえる妖魔で、これも忘れてはいけません。
続編を望む
アニメで、原作小説はほぼ網羅されているのですが、戴国の物語は『白銀の墟 玄の月』全4巻に描かれているので、これをアニメ化してほしいです。
ぜひアニメで観てみたい作品です。
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