昨日は、先日の台風で休講にしたので、補講でした。
いつもは60人以上も学生がいるのに、土曜日の補講には、わずか8名の学生しかきませんでした。
大学生はバイトで忙しいのでしょうか?
世間を見回すと、若者世代が減って、コンビニやファミレス、居酒屋で働くシニア世代が増えています。
学生がバイトに忙しいというのは過去の話なのでは?と思いたくなるような状況です。
1971年、マクドナルドの1号店が銀座三越にオープン。
1974年、セブンイレブン1号店が豊洲にオープン。
1984年、ユニクロ1号店が広島にオープン。
今では当たり前のように存在する業態、店舗が登場して30年以上が経過し、かつて若々しかったお店も、従業員の年齢のように落ち着いてきています。
かろうじて若々しさをキープできているのはユニクロくらいでしょうか。
地域限定で採用する雇用形態をいち早く採用し、地元志向の若者の獲得に成功しているように見えます。
しかし、先日はローソン銀行が誕生し、楽天は自社で配送サービスを始めています。
これからの数年で大きく変化するような動きが、流通産業で、一斉に始まっています。
一方、減り続ける労働人口をカバーするために、急速にロボット化が進行しているのも事実。
そして、世界的に「グレートデカップリング」が進行しているのです。
エリック・ブリニョルフソン(Erik Brynjolfsson)氏(MITスローン・マネジメント・スクール教授)が2011年に発表したもので、その後「「グレート・デカップリング」という現実 機械は我々を幸福にするのか」などの著作で知られています。
「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」の新井紀子さんも、エリック・ブリニョルフソン氏よりも先に、ロボットに仕事が奪われると指摘していたようです。
現在の雇用は、スーパーやファストフード、介護など、低賃金に集中しています。
アメリカでは、所得の中間値が1997年よりも下がっており、中間層と呼ばれた人々の収入が減少しています。
ブリニョルフソン氏たちの調査の結果、中国では製造業で働く人が1997年に比べ2000万人以上少なくなっているというのです。
日本やアメリカ、ドイツなどが中国をはじめとするアジア諸国に製造工場を移転していますが、日本国内の雇用は中国やベトナムなどの新興国に奪われているわけではないのです。
つまり、雇用は国から国に移動しているわけでなく、今やロボットに仕事が奪われているのです。
21世紀に入り、ロボットが登場することで生産性は飛躍的に伸びていますが、逆に雇用の伸びは追いつかないという状況に陥っているのです。
テクノロジーが雇用を破壊しているのです。
グレートデカップリング以前は、テクノロジーの進化によって雇用も新たに作り出されてきました。
生産性の伸びと、雇用の伸びは連動していたのです。
しかし、1997年ごろを境に、生産性が伸びても、雇用はなかなか伸びなくなってしまったのです。
優秀な技術者と優秀な経営者がいれば、世界中で利用されるようなサービスであっても、せいぜい数十人から数百人程度で運用可能でしょう。
AIが本格的に導入されれば、さらに人数は少なくなるはずです。
そして、世界をリードする企業経営者は、人間より間違いの少ないロボットを導入したいと考えています。
パソコンとインターネット、そしてアプリケーションソフトが、人間の労働を肩代わりし、しかもスピードアップを図ってくれるためです。
少ない勝ち組が、莫大な利益を山分けするのが、グレート・デカップリング時代の経済モデルになっているのです。
パソコンの性能は18か月で2倍になり(ムーアの法則)、いまではあらゆる産業でパソコンとインターネットが利用されています。
私たちの手元にはスマートフォン(スマホ)がありますが、スマホは手のひらに収まるパソコンです。
しかも、デジタル技術はなんでもすぐにコピーできて、世界中に配布することができます。
そして、配布すればするほど原価はゼロに近づいていきますから、なんでも無料で利用できるようになるのです。
単なるユーザーとしてなら歓迎すべきことですが、あなたがスマホでゲームに興じていることが、あなたの仕事を減らしているのかもしれないのです。
<関連の投稿>
【新井 紀子】「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」
【スコット・ギャロウェイ】「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」
いつもは60人以上も学生がいるのに、土曜日の補講には、わずか8名の学生しかきませんでした。
大学生はバイトで忙しいのでしょうか?
世間を見回すと、若者世代が減って、コンビニやファミレス、居酒屋で働くシニア世代が増えています。
学生がバイトに忙しいというのは過去の話なのでは?と思いたくなるような状況です。
急激に変化する小売業
昨日の補講では流通産業のなかの、とくに小売業について講義しました。1971年、マクドナルドの1号店が銀座三越にオープン。
1974年、セブンイレブン1号店が豊洲にオープン。
1984年、ユニクロ1号店が広島にオープン。
今では当たり前のように存在する業態、店舗が登場して30年以上が経過し、かつて若々しかったお店も、従業員の年齢のように落ち着いてきています。
かろうじて若々しさをキープできているのはユニクロくらいでしょうか。
地域限定で採用する雇用形態をいち早く採用し、地元志向の若者の獲得に成功しているように見えます。
しかし、先日はローソン銀行が誕生し、楽天は自社で配送サービスを始めています。
これからの数年で大きく変化するような動きが、流通産業で、一斉に始まっています。
一方、減り続ける労働人口をカバーするために、急速にロボット化が進行しているのも事実。
そして、世界的に「グレートデカップリング」が進行しているのです。
グレート・デカップリングとは?
グレートデカップリングとは、生産性は伸び続けているにもかかわらず、雇用が減っている状態を指します。エリック・ブリニョルフソン(Erik Brynjolfsson)氏(MITスローン・マネジメント・スクール教授)が2011年に発表したもので、その後「「グレート・デカップリング」という現実 機械は我々を幸福にするのか」などの著作で知られています。
「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」の新井紀子さんも、エリック・ブリニョルフソン氏よりも先に、ロボットに仕事が奪われると指摘していたようです。
プラットフォームの経済学 機械は人と企業の未来をどう変える? | ||||
|
低賃金労働に集中する雇用
イノベーションが進み生産性が向上しているのに、賃金は低くなり、雇用は少なくなっています。現在の雇用は、スーパーやファストフード、介護など、低賃金に集中しています。
アメリカでは、所得の中間値が1997年よりも下がっており、中間層と呼ばれた人々の収入が減少しています。
ブリニョルフソン氏たちの調査の結果、中国では製造業で働く人が1997年に比べ2000万人以上少なくなっているというのです。
日本やアメリカ、ドイツなどが中国をはじめとするアジア諸国に製造工場を移転していますが、日本国内の雇用は中国やベトナムなどの新興国に奪われているわけではないのです。
テクノロジーが仕事を奪う
仮に、日本国内に製造工場が残ったとしても、人口減少社会の日本では、工場で働く労働者の確保に四苦八苦することになりますから、早急にロボットが導入されるでしょう。つまり、雇用は国から国に移動しているわけでなく、今やロボットに仕事が奪われているのです。
21世紀に入り、ロボットが登場することで生産性は飛躍的に伸びていますが、逆に雇用の伸びは追いつかないという状況に陥っているのです。
テクノロジーが雇用を破壊しているのです。
グレートデカップリング以前は、テクノロジーの進化によって雇用も新たに作り出されてきました。
生産性の伸びと、雇用の伸びは連動していたのです。
しかし、1997年ごろを境に、生産性が伸びても、雇用はなかなか伸びなくなってしまったのです。
少数のステイクホルダーで山分けの21世紀
たとえば、デジタル技術をつかった、イノベーティブな企業が雇用する従業員数は、減少傾向にあります。優秀な技術者と優秀な経営者がいれば、世界中で利用されるようなサービスであっても、せいぜい数十人から数百人程度で運用可能でしょう。
AIが本格的に導入されれば、さらに人数は少なくなるはずです。
そして、世界をリードする企業経営者は、人間より間違いの少ないロボットを導入したいと考えています。
パソコンとインターネット、そしてアプリケーションソフトが、人間の労働を肩代わりし、しかもスピードアップを図ってくれるためです。
少ない勝ち組が、莫大な利益を山分けするのが、グレート・デカップリング時代の経済モデルになっているのです。
原価は限りなくゼロに近づくデジタル技術
デジタル技術は、ほぼ全世界の人間に影響を与えています。パソコンの性能は18か月で2倍になり(ムーアの法則)、いまではあらゆる産業でパソコンとインターネットが利用されています。
私たちの手元にはスマートフォン(スマホ)がありますが、スマホは手のひらに収まるパソコンです。
しかも、デジタル技術はなんでもすぐにコピーできて、世界中に配布することができます。
そして、配布すればするほど原価はゼロに近づいていきますから、なんでも無料で利用できるようになるのです。
単なるユーザーとしてなら歓迎すべきことですが、あなたがスマホでゲームに興じていることが、あなたの仕事を減らしているのかもしれないのです。
<関連の投稿>
【新井 紀子】「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」
【スコット・ギャロウェイ】「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」
コメント
コメントを投稿