YouTuberによる若年層マーケティングのVAZを取材しました




日経産業新聞のコラム「風向計」で、株式会社VAZを取材しました。
株式会社VAZは、若年層から人気のクリエーターを抱える若年層マーケティング専門のエージェンシーです。

VAZを知ったきっかけが、こちらの動画です。


「JAPANESE BUZZ | 侍イヤホンガンガンかまってスク水双子10回アクロバット女装筋肉角度ダンス魔貫マネキン着席ドント全然MiMiMiアイスPPAP女子高生 【VAZ inc.】」というタイトルで、VAZという会社を知ってもらうためのPR動画です。

この動画には、いろいろな仕掛けが施されているそうですが、マスメディアではリーチできない若年層に強いということはわかりました。

さっそく取材を申し込みまして、代表取締役社長の森 泰輝さんにインタビューしました。




革命家のような起業家・森 泰輝 さん

「影響力を持って時代を変えていきたい」

森さんが、YouTuberを所属タレントにしてプロダクション事業を行っている主な理由は、影響力を持つこと。

若年層に伝わるメッセージの発信力によって、時代を変えていきたいと考えていらっしゃいます。

森 泰輝さん

森さんとお話ししていて、わたしも直接お目にかかったことはありませんが、リクルート創業者の江副 浩正氏や、ぴあ創業者の矢内 廣氏のように、若い世代のニーズをつかみ取ることで時代を切り開いていった起業家と似ているという印象を持ちました。

VAZがターゲットとしているスマホネイティブ世代は、スマホからモバイルライフがスタートしている世代のことで、現在24歳以下。

すでに社会人として活躍しはじめている世代のことなのです。

彼らの半数以上が「テレビよりインターネットの動画のほうが面白い」と感じていて、テレビや雑誌、新聞などには目を通さない世代です。

わたしは大学で広告論という授業を行っています。

その最初の授業で必ず聞くのが、4マスの視聴経験です。

ラジオはすでに終わっているので、テレビ、新聞、雑誌の3つについて聞いています。

10年前は、かろうじて雑誌を購入している学生がいて、新聞も半数以上が目を通していました。テレビドラマやアニメも見られていた記憶があります。

ところがここ数年で、大学生が接触する情報源として、マスメディアのポテンシャルは急速に衰えてきています。

テレビを毎日見る学生は2割もいません。

雑誌を定期購読する学生は5年以上前に死滅しました。

新聞は5パーセントくらいが、家にあるので目を通しています。

スマホネイティブ世代に着実に届くPR動画などを制作して、若年層マーケティングを行っているVAZが、多くのマスメディアからも注目されている理由がここにあります。


スマホネイティブ世代から「第0新卒」へ

そのVAZの次なるビジネスが「バズキャリア」というもの。

中卒や高卒、専門卒、大学中退など、つまり大卒ではない人たち向けに、知的産業へ就職できるようにアドバイスしたり、キャリアアップのためのスクールを紹介したりして、最終的には人材を紹介するというもの。

専用アプリをつかうと、アドバイザーがチャットで相談に乗ってくれるというサービスです。

大学を卒業していない「第0新卒」のマーケットは実は大卒の就活マーケットよりも大きいのですが、彼らが就活しようとしても、募集を出している企業が少なく、しかもブルーワーカー的な職種や業種ばかりで、判断材料が給与くらいしかないというのが現状です。

そんな彼らに、こんなスクールに通うとIT企業に就職できるよ、とアドバイスし、実際にIT企業へ紹介したりするのが「バズキャリア」が目指しているところ。

すでに同様のサービスを提供しているHASSYDAIとコラボして、お互いの得意分野を出し合う形で、サービスを「第0新卒」にリーチ。

VAZは、人気YouTuberをつかったPR動画を制作して、サービスを「第0新卒」層に届ける役割を担っています。


2015年に増加したインフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティングを手掛ける企業は、奇しくも2015年前後に増加しています。
  • インフルエンサーマーケティングを分析できる「iCON Suite」をリリースしたTHECOO株式会社。
  • 動画・リッチメディア広告配信プラットフォーム「Smart Canvas」と位置情報広告ネットワーク「GeoLogic Ad」を連携させたヒトクセ。
  • 2500人を超えるインフルエンサーが登録され、フォロワー数の合計は1億人を超えているというインフルエンサーマーケティングツールexpausを提供する株式会社Lxgic(ロジック)。

いずれもツールの提供という点が共通しています。

VAZの森さんが、彼らと全く違うのは、メディアを作ってしまったことです。

VAZという会社そのものがメディアであり、若年層マーケティングという切り口を武器にして様々なコンテンツを輩出している点です。

コンテンツ制作は資金的に厳しく、これをメディアとして成立させるためには、多大なる時間と労力がかかります。

普通は、ビジネスモデルとして最初に消してしまう方法だと思います。

しかし、あえてそこに切り込んだ森さん。
だから、革命家のような起業家だと書きました。

そして森さんは、リスキーに思えるビジネスモデルも、やり方次第でクリアできることを証明しています。


新卒社長のイノベーティブ

森さんにとって、VAZ起業は、実は2社目。

1社目で学んだことを2社目に生かしているようです。

昨年取材したSCOUTERの中嶋汰郎さんも、在学中に起業した新卒社長でしたが、森さんはさらに上を行く方でした。

見た目は年齢相応ですが、心に秘めた野心はかなりのものです。

若年層に届かない広告は存在しないも同じ、と言われてしまう今、VAZが切り開いていくコンテンツ・メディアには要注目!です。

VAZは今後、マスメディアにも登場する回数が増え、YouTuberが(すでにCMありますね)もっと大人世代に知られるようになることでしょう。

こうなることが、それこそVAZノベーションではないでしょうか。

株式会社VAZ
http://vaz.co.jp/


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