先日、ユニクロ(ファーストリテイリング)は、難民高等弁務官事務所(UNHCR)と協力関係を強化する合意書を締結しました。
ファーストリテイリングとUNHCRがグローバルパートナーシップを強化 ~世界の難民・避難民支援のための新たな取り組みをスタート~
http://www.unhcr.or.jp/html/2015/11/pr-151125-fastretailing.html
すでにユニクロでは、難民認定を受けた人やその家族を地域正社員やパートとして13人を雇用しており、将来的に100人に拡大する予定。
また合意書には、2016年から3年間にわたり、総額1000万ドルの支援を実施することが明記されているのだそうです。
くわえて、新品のヒートテック15万点を2015年末までに寄贈することも決まっています。
ユニクロ思考術 | ||||
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私は知りませんでしたが、ユニクロは、2006年から世界の難民・避難民に衣料支援を実施しており、世界37の国と地域に1000万点以上のリサイクル衣料を届けています。
2011年には、アジアの企業としては初めてUNHCRとグローバルパートナーシップを締結しています。
UNHCRとグローバルパートナーシップを締結している企業として、他に、株式会社富士メガネ、IKEAなどがあるようです。
UNHCR企業パートナー
http://www.unhcr.or.jp/html/corporate_partners.html
このニュースに対して、賛否両論あると思いますが、私はさすがユニクロだと思いました。
世界進出を果たしたユニクロにとって、グローバル企業としての「姿勢」を示すことは、とても重要なことだと思います。
難民問題は、先日のパリ爆破事件以来、悩ましい問題になっています。
テロ実行者が、シリア難民としてヨーロッパに上陸していたためです。
人道的な支援として難民を受け入れていたヨーロッパ各国にしてみれば、良かれと思っていたことが、国の安全保障を脅かすことになってしまったわけですから。
人口減少社会を迎えた日本においても、労働人口の確保は急務、というのがビジネス界の認識です。
難民受け入れや移民受け入れにより労働人口を増やそうという考えの人も多い反面、何が起こるか想像もつかないから反対という人も多いのです。
人口問題は、そもそも戦時中の国策が影響して、団塊の世代という、前後に例のないほどの人口集中世代を作り出してしまったことにも問題の一端がある、と指摘する専門家もいます。
人口減少社会に対する誤解、未曽有の人口減少がもたらす将来の危機とは?(1)
人口減少社会に対する誤解、未曽有の人口減少がもたらす将来の危機とは?(2)
人口減少社会に対する誤解、未曽有の人口減少がもたらす将来の危機とは?(3)
そもそも人口減少社会は問題だ!という指摘も、いつからか当然のこととして受け入れていますが、労働人口が減少することが本当に悪いことなのかどうか、本当のところはわからないんじゃないか、と思うことがあります。
話題の人口知能が進化してきて、お医者さん一人の知識より、たくさんの論文を学習させたコンピュータのほうが正しい病名を指摘できる、とか、薬の処方についても学習した人工知能のほうが良い、と言われています。
ITが進化し、作業用の補助ロボットも登場してくると高齢者でも重いものが持てたりするわけで、人間にしかできない仕事はかなり少なくなってくると思うのです。
自動運転できる車などは、トラック輸送の現場において、相当な効率アップが期待できるわけで・・・。
人間にしかできない仕事って、いったいどんなことなんでしょうか。
どんな仕事は、ITに代替されないのでしょう?
ITの進化で、仕事がなくなる業種や職種があると予想されている時代において、労働者とはいったいどんな仕事をする人たちなのか、議論の根底となる基準が明確ではないような気がするのですが、これは私の不勉強でしょうか。
かなり回り道してしまいましたが、ユニクロに戻りましょう。
ユニクロの難民受け入れがすばらしいと思うのは、雇用という形をとっているからです。
お金を稼いで、市民生活に融合することができるチャンスをつくる。
もちろん企業ですから、ユニクロのグローバル戦略を下支えすることができると考えてのことだと思いますが、他の難民受け入れ議論の多くが是か非か、でしかないのに対し、雇用によって企業がサポートしているユニクロスタイルは、一歩どころか5歩くらい先を行っているのではないでしょうか。
さすが中国人も尊敬する経営者、柳井さんだと思います。
経営者になるためのノート ([テキスト]) | ||||
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