昨日、早稲田大学に留学していたときにバイトをしてもらっていた香港人の友人と4年ぶりに会いました。
今は銀行で、ファイナンスセクションで働いているそうで、中国経済の減退が、アジア地域で大きな影響を及ぼしている、と話していました。
それはどんな面で?
と聞いたところ、
「ローンが半分くらいになっている」
のだとか。
当初予想していたよりも、その影響が大きい、というのが香港での実感のようです。
香港は、良きにつけ悪しきにつけ、中国の影響下にありますが、不動産については、香港人を守るための法律ができたため、中国人の不動産投資が抑制されています。
不動産取得税として、価格の30%を政府に納めなければならない、という法律ができたために投資バブルに圧力がかかりましたが、最高値のときに購入した人々にとって、価格下落はありがたくない話です。
日本でもバブル時にマンションを購入した人たちが、価格下落のあおりを受けて大変だったことを思い出しました。
香港で仕事、というと、銀行か会計事務所かコンサルティングファーム、という感じですが、彼も転職を考えていました。
ファイナンスセクションで数字だけを追いかける業務は向いていない、というのが理由のようです。
日本語も上手なので、日系銀行もいけるかもよ、とは言いましたが、「日系は外国人が昇進することはあまり望めないから」と及び腰でした。
「それなら日本で転職したら」
と、軽くいってみたのですが、彼が日本で就職しようとしていた2011年当時とは、明らかに外国人採用の姿勢が変わってきているので、可能性は前よりも高いな、と思います。
とはいえ、さすが香港人です。
転職先候補は、イギリスやアメリカまで、視野が広いのです。
私は「だったらイギリスのほうがいいよ」とアドバイスしました。
というのも、これからの世界経済においてイギリスは大注目株だからです。
2012年に、BRICSサミットについてこのブログでも書いていますが、中国のAIIBは、このBRICSサミットで提唱された、第2の世界銀行の構想が引き継がれているためです。
今はインド政府のサイトからページがなくなってしまっているのですが、デリー宣言、というのが2012年にありまして、その時に第2の世界銀行を作ったら、みたいなことが話題になっていたのです、記憶では。
この時のサミットには、世界銀行のイギリス人がオブザーバーとして出席していたことも、BBCのニュースで見ました。
その翌年、New Development Bank 構想が固まって・・・、という流れのようです。
つまり、イギリスがいち早くAIIBに賛同して参加しているのは、BRICSサミットでの地ならしがあったから、だと私は思います。
そして、もっと妄想を進めると、イギリスがAIIBの絵も描いているんじゃないか?と。
というのも、以前読んで、このブログでも紹介している 「中国共産党 -支配者たちの秘密の世界-」には、中国企業の役員に多くのイギリス人が参加していること、共産党との親密ぶりが書かれていたからです。
著者のリチャード・マグレガーはオーストラリア人。
シドニー大学出身ですが、2011年まではロンドンに住んでいました。
つまり、「中国共産党 -支配者たちの秘密の世界-」はイギリス人脈を利用して取材されたもの、と推測できます。
中国共産党 支配者たちの秘密の世界 | ||||
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たぶん、本当はアメリカもAIIBに参加したいところでしょうが、日本やフィリピン、中東など、同盟関係諸国とは今までのことがあるので、表立っては動けない。
その分は、イギリスがカバーする、ってストーリーなのではないでしょうか。
それに、アメリカは敵が多いので、イギリスを通じて裏から中国に接近する、というのが得策、と考えてもおかしくないです。
久しぶりにランチを食べながら、ふたりで、こんなよもやま話に花を咲かせました。
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