那須与一といえば、源平の合戦の際、平家の姫君が揺れる船の上でかざした扇を見事に射抜いた人物として有名です。
出身地は、なんと栃木県大田原市。
創建の時期さえ明確ではないほど古い那須神社と、隣接する道の駅に行くと、那須与一のことがわかります。
道の駅には「与一館」という、人形劇で与一の偉業を伝える施設があります。一億円くらいかかっていそうです。
今日は那須神社です。
以前、この周辺に来た時には、すぐ隣だというのに那須神社に参拝できませんでした。
今回は、ぶらぶらと散歩しながら道の駅を目指してきましたので、途中で那須神社の裏参道と刻まれた石柱を見つけ、裏参道から那須神社へ。
二の鳥居より上座のほうに横入りするような形で境内に入ると、見事な枝垂桜が出迎えてくれます。
幹の太さから数百年は咲き誇ってきたであろう、堂々とした姥桜です。
この日は、わずかにつぼみが膨らんだ程度でしたが、満開のときの美しさが容易に想像できます。
手水で手と口をゆすぎ、参拝へ。
本殿に向かう石畳には滑り止めのむしろが敷かれていますが、石造りの太鼓橋のさきに、ミニ東照宮のような華やかな建造物があります。
細かい細工はもちろんのこと、色彩豊かに描かれた文様がとても美しいです。
本殿は質素な造りのため、その対照の潔さに、那須神社の歴史を感じます。
参拝からの帰り道は、二の鳥居、一の鳥居と、表参道を戻ります。
ご神木はじめ、参道の両脇には数百年のときを重ねた樹木が立ち並びます。
なかでも、二の鳥居周辺の桜が、植物の力強さを見せつけてくれます。
内部は腐食したのか、はたまた虫にやられたのかはわかりませんが、完全に露出して半分ほどになってしまった幹です。
しかし、その枝は天高く四方に伸び、たくさんのつぼみをつけ、数日で満開を迎えそうです。
一の鳥居までは、エドヒガン桜の、これまた相当な古木が高い位置で広く覆いかぶさるように枝を張っています。
満開なら、大きなテントのような姿に見えるのではないでしょうか。
一の鳥居をくぐりぬけ、振り返ってみると、そこはまさに結界のようでした。
ここからは別の世界。
裏参道をぶらぶらと歩いて、横入りしたことを少し後悔しました。
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