ネット広告費が初の1兆円台!テレビ・新聞横ばいの中、ネット広告だけが伸びる結果に

電通から、2014年日本の広告費が発表されました。

これによると、昨年の広告費は6兆1,522億円、前年比102.9%でした。
久しぶりの6兆円台です。

私の広告論のカリキュラムでは、最初に広告費がどこにどれだけ使われているか、GDPの何パーセントなのか、を講義します。
なので、電通の「日本の広告費」は毎年利用させていただいています。

昨日発表された結果をもとに、グラフを作ってみました。
メディア種別、金額、割合の順で表示されています。



昨年の広告費の割合と比較するとわかりますが、唯一伸びているのがインターネット広告なのです。
テレビ30%、新聞10%と、ほとんど変わりません。
ネットだけが、15.7%から17%に伸びました。

日本の広告費 2013年 電通


インターネット広告費が1兆円台に上ったことが2014年のキーワードになりました。

ちなみに、インターネット広告費が、ラジオを抜いたのが2006年、雑誌を抜いたのは2007年、新聞を抜いたのは2009年でした。

伸びるネット広告に対して、落ち目の3マス、という構図ですから、ネット広告ごぼう抜き、という印象を受けます。

地上波テレビは、かつて2兆円越えの大メディアでした。新聞も2兆円近くあったので、広告費のほとんどがテレビと新聞で費消されていました。

日本の広告費は、日本のGDPの1%を少し超える程度で推移しています。
約6兆円の広告費のうち、4兆5000億円はテレビと新聞、残りを雑誌やラジオで分け合っていた、というのが、2000年以前の広告費の実態でした。

日本の広告費 2013年 電通

ところが、人々がパソコンを持ち、インターネットを利用するようになり、今ではスマホやタブレットで、いつでもどこでも広告と接触できる環境になりました。

プロモーションメディアが広告と考えられるようになったのも、生活者の情報接触の変化があるためです。
渋谷のスクランブル交差点には、大きな屋外ビジョンが3台もあります。
歩いている人々にさえ、広告を表示して見せよう、見ればネットにアクセスしてくれる、ということではないでしょうか。

これにSNSが登場して、ますます広告は混迷し、わかりにくくなっています。

逆に、わかりにくいからこそテレビが使いやすい、という結果にもなっていて、テレビがその王座をネットに渡すことになるのは、まだまだ先のようです。




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