東野圭吾作「夢幻花(むげんばな)」
初出が「歴史街道」2002年7月号~2004年6月号ながら、最近の出来事を織り込んでいる良作です。
ネタバレにはなりますが、福島の原発事故が背景として描かれておりまして、現代によみがえる変化アサガオが、もしや、この事故による放射能漏れが原因なんじゃなかろうか?
と誤解させるところがミソです。
変化アサガオというのは、江戸時代に爆発的に流行したアサガオ栽培から生まれてきた突然変異体です。
詳しくは、http://www.rarf.riken.jp/asagao/what.html をお読みいただけますと、よくお分かりになると思います。
江戸時代の画集 |
ちなみに、江戸時代の椿にも、現代には存在しない色があるようですね。
江戸時代の植物画集は、ある種、ミステリーの宝庫かもしれません。
国立国会図書館では、そんな画集や、植物の人気の変遷を紹介しています。
http://www.ndl.go.jp/nature/cha2/
本作をさらに楽しむためには、江戸時代の園芸ブームを知ることも必要かもしれません。
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