【本多 静六】「私の財産告白」「私の生活流儀」





今年30歳になった元教え子くんから教えてもらって一挙購入!
そして読了。

今回読んだのは、本多 静六 先生の「私の財産告白」「私の生活流儀」、それと本多先生の著作から名言を選んで編集された「本多静六 「蓄財の神様」が教える面白いほど成功する法」の三冊です。


私の財産告白 (実業之日本社文庫)

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本多 静六とは?

著者の本多 静六は、昭和2年に東京大学農学部を定年退官した教授です。
生れは慶応2年(1866)で、苦学して東京山林学校に入学しますが、数学ができなくて一度は落第します。

このとき、人生をはかなんで古井戸に投身自殺しますが、途中でひっかっかって命拾いし、その後は猛勉強して主席で卒業します。

ドイツのミュンヘン大学に留学して博士号を取得。
帰国して明治25年(1892)に現在の東大農学部の助教授に就任します。

山林や林業の専門家として国家プロジェクトなどにも関与したという大物です。
明治神宮の森も、本多静六先生が参加したプロジェクトのひとつです。


東大教授の蓄財とは?

本多 静六 先生の蓄財法がくわしく紹介されているのは「私の財産告白」。

本多先生は、最大で100億円ともいわれる財産を築いた伝説の億万長者。
その財産はどのようにして形成されたのか、とても興味があるところです。

子どものころに家が傾き、何年も塩だけでご飯を食べたという本多先生は、給料の四分の一を貯蓄に回し、残りの四分の三で生活することに決めます。

家族からは不評だったようですが、年々昇給する給料だから、と厳しく律しました。

貯蓄がある程度の額になってからは、株式と山林に投資します。
ミュンヘン大学の恩師・ブレンタノ博士からの教えがあったためです。

なかでも山林は、本多先生の専門分野でもあり、二束三文の山々を少しずつ買えるときに買えるだけ買っていくうちに、秩父の山を多くを所有するようになります。

しかし、本多 静六 先生のすごいところは、秩父の山々を売って、自らの懐にしない点です。

本多先生は、この山を育英資金の元手として活用してもらおうと、埼玉県に寄付してしまいます。
昭和24年には、県有林記念碑が建立されます。
その除幕式に参列を求められても、本多先生は参列を良しとせず、かわりにご子息が参列したというのです。

本多先生のことがながらく忘れられていたのは、本多先生の、自らの功徳や栄光を多く語らないという性格にあるのかもしれません。

立派なぶどう畑も20年前は原野でした


努力は裏切らないという信念

本多 静六 先生の書いておられることは、いたってシンプル。

時間は限られているから、とにかく勉強・努力する。
生活は質素を旨とし、虚飾を排す。
使うときにはドンと使う。

本多先生は86歳まで存命で、目も口も耳も達者だったそうです。
その本多先生は、電車などの移動時間は何もできないから眠り、出張があったとしても、帰宅したら1日1ページの原稿を書いたそうです。
今ならさしずめ、毎日ブログを更新するといったところでしょうか。

毎日1ページ(本多先生によると約500字)の原稿を書くというのは、言うは易し行うは難しの典型的な例ではないかと思います。

それを毎日、出張で書けないときには前倒しで出張の日数分書いていたというのですから、驚きです。
その成果は、本多先生の出版物の多さに現れ、現代の私たちが、こうして当時の著作を手にとることができる状態となっています。


野菜の「ホルモン漬け」で健康長寿

私の生活流儀」には、ホルモン漬けで食事をすると体調が良い、という記述があちこちに見られます。

このホルモン漬けというのは、野菜をこまかく刻んで塩漬けしたものです。
大根やニンジン、木の芽など、とにかく季節の野菜を刻んでまぜて漬けるというのです。

このホルモン漬けと玄米ご飯、みそ汁を食し、毎日1時間以上の散歩、農作業などで老後の健康を維持していると書かれています。

わたしも本多先生にならって、大根・ニンジン・白菜・大根やカブの葉、ショウガなどを細かく刻んだものに白ごまを加え、顆粒の昆布だし・かつおだしと塩であっさりと浅漬けしたものを作ってみました。

ビックリするほど美味しいです!
そして、ご飯が進みます!!
我が家の常備菜入りを果たしました。

野菜は何でも良いのですが、ショウガを刻んで加えるのがポイントです。


江戸・明治時代の日本人の質実剛健

本多 静六 先生の生き方には、江戸・明治時代の日本人がもっていた質実剛健さをうかがうことができます。

しかも、激動の時代を生き抜いた人に共通する合理性、思い切りのよい判断などが、随所に現れています。

本多 静六 先生のすごさは、誰もがわかっていることを実行に移し、成果を出している点です。

給料の四分の一をなかったものとして貯蓄するなどは、できるようでなかなかできないものの代表ではないでしょうか。

当たり前のことを当たり前のように実行する。
このことをしみじみと実感することができます。

ちなみに、本多 静六 先生のことを知りたいなら「私の財産告白」がおすすめです。
わたしが読んだ3冊のなかでは、もっとも興味深い内容でした。


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