『スイート・マイホーム』『禁じられた遊び』を観ました。
どちらも小説を原作とした映画です。
『スイート・マイホーム』は斎藤工さん監督作品、『禁じられた遊び』は中田秀夫監督の作品。
『スイート・マイホーム』が、日常に潜む狂気だとすると、『禁じられた遊び』は中田秀夫監督の過去作品を彷彿とさせる出来上がりです。
どちらも新築マイホーム
『スイート・マイホーム』『禁じられた遊び』どちらも、新築マイホームで怪異が起こるという点は同じです。
『スイート・マイホーム』は、新築マイホームそのものが、狂気によって設計されています。
そういう意味では、現実に起こってもおかしくないと思わせるリアリティがあります。
「こんな担当者には出会いたくない」
観ていて、そう感じる場面は少ないのですが、その担当者が犯人です。
しかも、主人公の男には、浮気をしていたという心のハンディがあり、犯人探しがまちがった方向に進行してしまうのです。
いっぽう、『禁じられた遊び』のほうは、マイホームの庭が舞台です。
庭にトカゲの尻尾を埋めて、再生させるということを信じた子どもが、事故で死んだ母親を再生させてしまうという物語。
原作にはない、死んだ母親のプロフィールを明らかにすることで、実は呪いの正体が子どもであったという結末になっています。
原作を超えているか?
『スイート・マイホーム』も『禁じられた遊び』も、どちらもホラーの分類ではありますが、原作をほぼ忠実に再現したかのような『スイート・マイホーム』に対し、中田秀夫ワールドにもちこんだ『禁じられた遊び』という対比ができると思います。
原作超えという点で見ると、『禁じられた遊び』のほうが上であり、原作を読んでいても先が気になる作品です。
そのキモになっているのが、妻の嫉妬心・執着心が生霊となって、夫に恋心を抱く女性へ向かうという点です。
原作では、生霊となって苦しめることは描かれているのですが、その妻に特別な能力が備わっていて、しかも妻の母が新興宗教の教祖だったというあたりは、映画オリジナルの設定です。
妻のプロフィールを細かく描き出す流れは、『リング』にも通じる展開です。
山村志津子とその娘・貞子へと超能力が受け継がれ、その力が呪いとなって人々を恐怖に陥れるわけですが、『禁じられた遊び』にも同様の設定が持ち込まれています。
もしかすると、続編もあり、という印象です。
そういう意味では、良くも悪くも原作どおりの『スイート・マイホーム』といえるのかもしれません。
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