映画「何者」観てきました。
朝井リョウ原作の同名小説「何者」の映画です。
小説を読んでから映画が楽しみでした。
出演者はさることながら、設定がSNSと就活。
エンドロールでは、協力としてTwitter 、Instagram、LINE がクレジットされていて、まさしく「いま」の映画でした。
大学5年生の物語
小説のほうも、映画でも、うまいこと描かれていてなかなか気づかないのですが、サワ先輩以外は全員が大学5年生です。
5年も大学に行く理由はさまざま。
女子は海外留学のため。
男子は留年のため。
よくある話です。
しかし、ここにトリックがあって、留年の理由が男子の場合、いろいろとあるのです。
妬みや嫉みもネットで検索
小説も映画も、最近の売り手市場になる以前、しかもそれなりに有名大学の学生という設定なので、就活先は広告代理店とか出版社、または大手通信系企業です。
合同説明会、Webテスト、グループディスカッションなど、就活のときに一通り経験することが描かれています。
そして、バンドに明け暮れて留年した光太郎(菅田将暉)と、地道に一流企業を目指した瑞月(有村架純)が内定をもらうことに。
いっしょに就活頑張ろう!と集まった4人に明暗がおとずれます。
そして、意識高い系女子の理香(二階堂ふみ)は、瑞月の内定先のネガティブ情報をさがして安心し、拓人(佐藤健)もまた光太郎の内的先のブラックネタを探していることがわかります。
意識高い系と分析評論系がともに就活がうまくいかず、互いに、身近な相手の内定を喜べずにネガティブ情報をネットで検索するあたり、妬みや嫉みも、ネットで検索する時代なのだということを端的に表現しています。
裏アカウントで吐露される本音
痛い者は痛い者の心理が理解できるのか、理香の拓人に対する攻撃は実に辛辣です。
このあたりはTwitterを利用していないとわからないかもしれませんね。
拓人は実は2度目の就活。
就職浪人だったのです。
就職浪人もつい最近までは珍しくありませんでした。
ですが、浪人しないまでも、就活がうまくいかないタイプというのはあります。
大学での成績が良くてもコミュニケーション能力が低いと内定がとれません。
おしゃべり上手なキャラのほうが就活はうまくいく傾向にあります。
分析評論系の拓人は、本当は上から目線で、周囲の人々に対する本音を裏アカウントでつづっていたのでした。
平成ライダーが二人も出演
わたしが一番好きな平成仮面ライダーシリーズ「電王」でデビューした佐藤 健と、これまた不思議な魅力があった「W(ウルトラマンエースみたいに二人で変身!)」の菅田 将暉が共演しているわけですから、これは見なければいけません。
どちらも役者としてすばらしいと思いますが、今回は佐藤 健の拓人が良かったです。
本当は口の悪いシニカルな人物なのに、普段は思ったことの半分も言葉にできない拓人。
「電王」のときの野上良太郎みたいに、拓人ははっきりとモノを言わない人物として描かれています。その分、裏アカウントで毒出ししているわけですが・・・。
天真爛漫の光太郎は、菅田将暉の得意な役柄。
ときおり見せるマジモードが魅力です。
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実際のところ就活ってどうなの?
ここからは、つい最近、現在は人事部で採用を担当している教え子から聞いた話です。
彼は地元・茨城県の企業に就職し、いきなり人事部に抜擢されるという優秀な学生でした。
成績が良いというよりも、要領が良いタイプで、バンドこそやっていませんが光太郎タイプ。
その彼によると、都内の有名大学からのUターン就職組は全然ダメだそうです。
面接=プレゼンテーションが下手。
まじめなんだろうし、頭も良いのかもしれませんが、多くが営業職になることを考えると、プレゼン下手は採用できないという判断になります。
地元大学出身者が良い理由もあって、それは、なによりプレゼンに慣れていること。
つまり場数が違うということです。
地方の私立大学は、アカデミックであることを求められていません。
カリキュラムも、社会人になったときに役立つ内容にシフトしています。
なかでも多いのが、企画提案型のプレゼンテーションです。
学生数も多くないため、都内のマンモス大学より何倍も面倒を見てもらえて、そして何度も厳しく指導されます。
そりゃ場数が違うわね。
多少異なる地方の就活事情ですが、映画「何者」は、就活まっただ中にいる学生諸氏といっしょに見たい映画でした。
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