「見える化」が作り出すIT投資

本日付の日経産業新聞、流行ウォッチング欄は私の担当です。
今回は「見える化」というキーワードで、最近企業での導入が進んでいるBI(Business Intelligence)ツール回りの話を書きました。実際に私自身、BIツールの導入を目的として有名どころの説明を聞いてみて、BIツールの利用者(つまりターゲット)設定が経営陣にしぼられているツールが多い、ということに気づいたからです。
これは当然のことですが、経営陣が日時で分析データ、特にその会社のKPI(Key Perfomance Indicator)を把握して経営判断していくものがBIツールの役割だからです。よって、BIのIはIntelligenceなんですね。単なる情報の集合体ではなく「智」にまで昇華されているわけです。

しかし、多くのBIツールがおそらくメーカーをターゲットにしているだろうと思われ、サービス業には結構不向きな印象を持ちました。
というのも、サービス業では現場のイレギュラー処理の多さなどを考えると、KPIとなるものがいつも同じとは考えられないためです。あるとすれば顧客からの苦情内容をキーワードで切り取って集計・表示するというものくらいかもしれませんね。これは現場で対応するスタッフについても同様です。
こういう使い方をすれば全体のトレンドはわかりますが、そのことが原価や販管費のどの部分にインパクトしているのかまではデータ上はわかりません。

特に原価も販管費も人件費で、現場の裁量で結構自由に追加支払を決定できるような仕組だと、お金に直結する形でKPIを示すことはとても難しいのではないかと思います。
理由は、まず利益を圧迫しているであろう費目を特定し、それがどのように支払われているのかを業務フローにまとめ、どの段階でチェックすればよいかを決めたところで、そもそもその費目がビジネスモデルにおけるKPIと言い切れるだろうか、という疑問が残るためです。

BIツールを導入するにあたって、私たちが二の足を踏むのは、多くのBIツールが内部で作り込みができない点にあります。
多くの場合、ツールの販売会社が作り込みまで受託するような形になっており、いったん決めたKPIを後生大事に利用しなければならない印象を持ちます。
サービス業の場合、KPIというものが時とともに変化する可能性が高く、仮にKPIが決まったとしても、状況次第ではその費用の中身が変化する可能性もあることから、特に外部での作り込みに躊躇してしまいます。

一方でKPIは、Excelベースで作成され経営陣に報告されているはずです。
Excelの柔軟性、現場で対応できることなどから、非常に便利なツールとして利用されていると思います。
またExcelには問題も結構あり、営業系の数字を管理するなどについてはファイルを管理するだけでは解決できない場合もあります。
最近ではExcelだよりのこの状況を「Excelレガシー問題」と呼ぶそうです。J-SOXの導入を機に、Excelのシートまで管理することが求められていることから、この手の問題を解決しなければ、という企業が増えているからでしょう。
また、BIツールをいくつも見たけれど、結構高いし、おまけに柔軟性もない。どうしようか。という企業も多いからでしょう。
「Excelレガシー問題」を解決できるようなツールも出てきています。
今回のコラムでは、その中のひとつを紹介しています。
社長の宮森氏は、愉快なおじさん、といった方で、大変クレバーな方でした。