感染経路不明?どうしたら経路があきらかになるのか?

新型コロナウイルスの感染拡大で、専門家が指摘する「感染経路不明」の増加。

報道で知るところでは、感染経路について、心当たりがあっても隠している、言わないという人が相当数存在するようです。


全国的に知られるところでは、神戸の警察署での、新署長歓迎会を隠していたこと。

ほかにも、感染経路不明となっているにもかかわらず、クラスター化しているところでは、飲み会自粛の要請を無視して行っていた、ということがわかってきています。

たとえば、慶応大学病院の研修医とか。

これって、どうすればよいのでしょう?





新型コロナウイルスが拡散している3つの理由

新型コロナウイルスが拡散している理由として、時期が悪かった、という人がいます。

大学4年生は、2月には開放され、卒業旅行や卒業生を送る歓送会など、度を越した飲み会、濃厚接触が頻繁に繰り返されるからです。

これが第一の理由です。

また、社会人だけでなく、進入学で、とくに3月は全国的に移動が多いこと。

長距離移動することも多く、これによって新型コロナウイルスが拡散した事例も多いようです。

これが、新型コロナウイルスが全国に拡散した第二の理由です。

3つ目は、日本人にとって、かつてないほどに移動距離が伸び、移動費用が格安になっていることです。


趣味で集まるオフ会、アイドルなどに集まる人々など、それこそ北は北海道から南は沖縄まで、全国から1ヶ所に集まることは、難しいことではなくなっています。

大阪のライブハウスで感染したと思われる人々が、大阪だけでなく、日本各地に存在することが、それを証明しています。

2020年4月16日に、緊急事態宣言を全国を対象としたのは、第三の理由によるものだと思われます。

タイヤメーカーの人から聞いた話ですが、今、高級車につけるようなタイヤがバカ売れしているそうです。


新幹線や飛行機は密閉されていて怖いけど、自分の車で移動するなら大丈夫、ということでしょう。

日本では、交通網の封鎖はできないので、車で移動してくる人たちを、地方の自治体が水際で排除するような事態が、これから起きてくるかもしれません。

「県内ナンバー以外、お断わり」

これが県境で行われるようになってしまうかもしれません。




なぜ、感染経路不明者が増えるのか?

感染経路については、性善説に基づいた聞き取り調査しかやっていないようです。

組織なら内部告発や、周辺の関係者に聞き取りをすることで、感染経路を特定することも可能でしょうが、個人のプライバシーを尊重する保健所で、そんなことはできないでしょう。

本当に感染経路を明らかにしたいなら、もはや保健所ではなく、警察の仕事です。

感染者が歩き回って新型コロナウイルスが拡散していることを、傷害罪、威力業務妨害ととらえれば、警察の出番となるでしょう。


保健所には、保健所でしかできない仕事をしてもらって、聞き取り調査は警察に任せて、できるだけ確度の高い情報を取得するという流れになっても、仕方がない状態に陥るかもしれません。



最終的には自衛隊におまかせするしかないのかも

東京都は、災害時と同様に、感染者の移動などについて、自衛隊を派遣してもらっています。

ダイヤモンド・プリンセス号での対応でも、厚労省からは感染者が出ていますが、自衛隊からはゼロ。

生物兵器の訓練をしている自衛隊は、防護体制が完全にできている、訓練されているということだと思います。

これは、理論や理屈より、実践的な経験がないと感染するリスクをゼロにすることができない、ということを証明している実例ではないでしょうか。

新型コロナウイルスが、空気感染とはいわないまでも、飛沫感染、マイクロプラズマ化することがわかってきた今、自衛隊が新型コロナウイルス感染防止の最前線にたったほうが良いと思うのです。

検査は保健所、聞き取り調査は警察、感染者や感染しやすい場所では自衛隊、というような役割分担したほうが、国民は安心すると思うのです。

感染者との濃厚接触については、いずれアプリが配布されるようですが、これは、感染しないように注意するためのツールです。

感染してからの対応には、まだまだ混乱があって、情報も不確かで、未確認というのも多いのは、本当に不安です。



不安を感じやすい日本人の脳

日本人の脳は、遺伝的に不安を感じやすいのだそうです。

このことは、脳科学者の中野信子さんの著書「シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感」に書いてありました。



それによると、セロトニントランスポーターという、セロトニンを再取り込みするポンプのような機能がありますが、日本人の98%がセロトニントランスポーターの密度が低いため、セロトニンを活発に使いまわすことができないのです。

つまり、日本人は失敗を恐れ、不安を感じやすいということになります。

セロトニントランスポーターの密度を決める遺伝子には、密度が低くなるS型と、密度が高くなるL型があります。

これらはそれぞれSS型、SL型、LL型の3種類に分かれます。

メンデルの法則だと、SS型とLL型はそれぞれ25%、SL型は50%の割合で発生します。

ところが、日本人の7割がSS型!

SL型を含めると98%が、セロトニントランスポーターの密度が低く、楽観的になれないということになります。

セロトニンのリサイクルがほとんどできない人は、準備を怠らず、勤勉で協調性がありますが、一方で、損をしてでも復讐するような義憤にかられる人でもあります。

セロトニンのリサイクルがうまくできないと、「私だけ損してない?」「真面目にやっているのに、私だけ損している」という感情を持ちやすいのだそうです。↓

言い換えると、自分より努力していない(ように見える)人に対して、とても厳しい言動になるということでしょう。

専業主婦である妻に対して、「誰が食わしていると思ってるんだ」なんていう発言、または考えを持っている人は、セロトニンのリサイクルがうまくできない人なのかもしれません。

新型コロナウイルス対策として一律10万円を支給する政策にたいしても、所得水準とか、労働の有無とかを話題にする人がいますが、これは、「自分と同じか、それ以上に努力しているかいないか」を基準にしているからなのではないでしょうか。



貧困は遺伝することは科学的に証明されていますし、情弱だと、政策があることすら知らないままに亡くなることも起こっています。

アメリカでは、新型コロナウイルスの治療は無償であることを知らず、自分は保険に加入していないから、と自宅で亡くなっている人が増加しているそうです。

悲劇ですね。

この悲劇は、情弱だからゆえ、なのですが、アメリカではセロトニントランスポーターの多い、楽観的な人が多いので、本当に大変なときには「自助努力」を要求しない、ということではないでしょうか。

まったく同じ、新型コロナウイルスという災厄に見舞われているはずなのに、各国の対応に濃淡があり、とくに日本は遅いように感じるのは、日本人が不安をいだきやすく、自分以外の誰かを助けるとき、努力しているかどうかを自然と基準にしているから、と考えると、違う側面が見えてくるようです。




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