NHKでドラマ化された「昭和元禄落語心中」に夢中!です。
すでに放映が終了していますが、わたしはビデオに録画しておりまして、見直しております。
NHKドラマ「昭和元禄落語心中」
https://www.nhk.or.jp/drama10/rakugo/
コミックが最初にアニメ化され、今回のドラマ化です。
わたしは、落語番組があると、わりと積極的に観る方です。
そもそも落語に興味を持ったのは、「タイガー&ドラゴン」でした。
ヤクザが落語家になるという、宮藤官九郎さん脚本のドラマです。
ドラマのなかで、落語そのものも映像化してしまうというドラマだったので、落語の面白さがダイレクトに伝わったと感じた作品です。
10代から80代くらいまでを演じているのですが、顔つき、目つき、声の出し方で、そのときどきの年代を演じ分けています。
もちろんメイクの助けはあるのですが、老人となった八雲のメイクがよくできていて、オドロキます。
そして、インタビューの中でも語られていますが、「死神」という落語を、年代でどのように演じ分けるか、についていろいろと工夫がなされているのです。
岡田将生という俳優は、こんなにうまい人だったっけ!?と思ったのは、この「死神」の演じ分けがあるからなのです。
この与太郎を演じているのが、竜星涼さん。
この方は、見た目からか、チャラい役とかが多いのですが、以前からうまい役者さんだと感じていました。
さらに助六には山崎育三郎さん。
声が良いのは当たり前ですが、「静」の八雲に対して「動」の助六がハマっていました。
ふたりにも落語シーンがありますが、こちらも見ものです。
キャラクターが際立っていて、はっきりとわかります。
そういう点では、子どもの頃、踊りをやっていた菊比古(八雲)の所作にも注目です。
高座で落語をはじめる前に、菊比古が三つ指をついてお辞儀をするシーンは、本当に美しくて、岡田将生さんによく似合っています。
そのなかで、落ちぶれた元落語家となった柳家喬太郎さんが、真打ち昇進を目の前にして何かもうひとつが欲しい菊比古(八代目八雲)が、「死神」を教えてもらうシーンがあります。
このシーンは、インタビューによると台本なし、師匠が弟子にマジで教えているシーンとなっています。
(確か第4話です。)
この場面は、必見です。
しかし、与太郎と小夏(八雲の養女で助六の娘)が結婚し、子どもができることで、八雲の周囲に家族が増え、捨てられないものが増えていきます。
そんなとき、死神となった助六が、八雲をそそのかして死なせてしまおうとするのですが、八雲は「まだ死ねない」と言います。
孤独な自分を捨てて、家族に囲まれて生きることを決断した瞬間だと感じました。
ですが、八雲の命は、もう長くはありません。
コミックの情報もなければ、原作者の情報もない私は、ドラマの進行を見ていて、「これってボーイズラブ?まさかのNHK??」と感じていたほどです。
NHKが、ときに革新的な番組を制作することはありますが、ボーイズラブはさずがにないだろうと思って、あるとき、原作者の雲田はるこさんを検索。
あ、ボーイズラブでデビューしたのね。
そこからは、ちょいちょい出てくる菊比古と八雲の仲良しシーンは、ボーナスみたいなものであり、ふたりの絆を描くためのものなのだ、と理解できました。
家族から捨てられた菊比古が、助六に依存していたのかもしれませんし、助六にとっては、自分よりも大切にされている菊比古に対して、憧れや嫉妬が合ったのかもしれません。
ファンにとっては、菊比古と助六のシーンに悶絶だったらしいです、とくに膝枕のとき。
そういうこともあって、岡田将生さんという役者さんがキャスティングされたのかも?と思いました。
同じ作品でも、落語家によって変わっていきますが、幹となるストーリーは変わりません。
また、代々つづく名前を襲名するという伝統もあります。
こういう落語がもつ背景は、人間の運命や、生まれ変わり(輪廻)にも似ているな、と感じました。
ドラマの中でも、菊比古と与太郎が、落語という芸について、同じようなことに悩み、苦しむという場面があります。
人間の業、人との関わり合いは、経験したことからしか学べない、気づけないということを表しているかのようです。
まだご覧になっていない方は、ぜひ、AmazonでドラマのDVDを予約して観てください。
そして、NHKのサイトで、インタビューもご覧になってみてください。
落語に興味がなくても大丈夫です。
オススメです。
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執着やこだわりを捨てると生きやすい
すでに放映が終了していますが、わたしはビデオに録画しておりまして、見直しております。
NHKドラマ「昭和元禄落語心中」
https://www.nhk.or.jp/drama10/rakugo/
コミックが最初にアニメ化され、今回のドラマ化です。
わたしは、落語番組があると、わりと積極的に観る方です。
そもそも落語に興味を持ったのは、「タイガー&ドラゴン」でした。
ヤクザが落語家になるという、宮藤官九郎さん脚本のドラマです。
ドラマのなかで、落語そのものも映像化してしまうというドラマだったので、落語の面白さがダイレクトに伝わったと感じた作品です。
八代目八雲の岡田将生さんがすごい!
最近の岡田将生さん、とくに「ゆとりですが何か?」を観て、演技がうまいな~と感じることが多かったのですが、「昭和元禄落語心中」では、主役の八代目有楽亭八雲を演じています。10代から80代くらいまでを演じているのですが、顔つき、目つき、声の出し方で、そのときどきの年代を演じ分けています。
もちろんメイクの助けはあるのですが、老人となった八雲のメイクがよくできていて、オドロキます。
そして、インタビューの中でも語られていますが、「死神」という落語を、年代でどのように演じ分けるか、についていろいろと工夫がなされているのです。
岡田将生という俳優は、こんなにうまい人だったっけ!?と思ったのは、この「死神」の演じ分けがあるからなのです。
脇役もうまい!
ドラマは、「タイガー&ドラゴン」か?と思わせる、刑務所を出たばかりの元ヤクザ・与太郎が八雲に弟子入りをお願いするシーンからはじまります。この与太郎を演じているのが、竜星涼さん。
この方は、見た目からか、チャラい役とかが多いのですが、以前からうまい役者さんだと感じていました。
さらに助六には山崎育三郎さん。
声が良いのは当たり前ですが、「静」の八雲に対して「動」の助六がハマっていました。
ふたりにも落語シーンがありますが、こちらも見ものです。
キャラクターが際立っていて、はっきりとわかります。
そういう点では、子どもの頃、踊りをやっていた菊比古(八雲)の所作にも注目です。
高座で落語をはじめる前に、菊比古が三つ指をついてお辞儀をするシーンは、本当に美しくて、岡田将生さんによく似合っています。
柳家喬太郎さんが「死神」を教えるシーンはマジです
落語の指導は、柳家喬太郎さんがなさっているのですが、同時に落語家として演じています。そのなかで、落ちぶれた元落語家となった柳家喬太郎さんが、真打ち昇進を目の前にして何かもうひとつが欲しい菊比古(八代目八雲)が、「死神」を教えてもらうシーンがあります。
このシーンは、インタビューによると台本なし、師匠が弟子にマジで教えているシーンとなっています。
(確か第4話です。)
この場面は、必見です。
孤独になればなるほど落語が上達する八雲の芸
ドラマは、八代目八雲の孤独との葛藤ともいえます。しかし、与太郎と小夏(八雲の養女で助六の娘)が結婚し、子どもができることで、八雲の周囲に家族が増え、捨てられないものが増えていきます。
そんなとき、死神となった助六が、八雲をそそのかして死なせてしまおうとするのですが、八雲は「まだ死ねない」と言います。
孤独な自分を捨てて、家族に囲まれて生きることを決断した瞬間だと感じました。
ですが、八雲の命は、もう長くはありません。
原作の雲田はるこさんはボーイズラブでデビュー
ドラマのなかでも、ちょいちょい出てくるのが、菊比古と助六の仲睦まじいシーンです。コミックの情報もなければ、原作者の情報もない私は、ドラマの進行を見ていて、「これってボーイズラブ?まさかのNHK??」と感じていたほどです。
NHKが、ときに革新的な番組を制作することはありますが、ボーイズラブはさずがにないだろうと思って、あるとき、原作者の雲田はるこさんを検索。
あ、ボーイズラブでデビューしたのね。
そこからは、ちょいちょい出てくる菊比古と八雲の仲良しシーンは、ボーナスみたいなものであり、ふたりの絆を描くためのものなのだ、と理解できました。
家族から捨てられた菊比古が、助六に依存していたのかもしれませんし、助六にとっては、自分よりも大切にされている菊比古に対して、憧れや嫉妬が合ったのかもしれません。
ファンにとっては、菊比古と助六のシーンに悶絶だったらしいです、とくに膝枕のとき。
そういうこともあって、岡田将生さんという役者さんがキャスティングされたのかも?と思いました。
人間の運命(さだめ)なのか輪廻なのか
古典落語は、落語家から落語家へとつながっていく芸です。同じ作品でも、落語家によって変わっていきますが、幹となるストーリーは変わりません。
また、代々つづく名前を襲名するという伝統もあります。
こういう落語がもつ背景は、人間の運命や、生まれ変わり(輪廻)にも似ているな、と感じました。
ドラマの中でも、菊比古と与太郎が、落語という芸について、同じようなことに悩み、苦しむという場面があります。
人間の業、人との関わり合いは、経験したことからしか学べない、気づけないということを表しているかのようです。
まだご覧になっていない方は、ぜひ、AmazonでドラマのDVDを予約して観てください。
そして、NHKのサイトで、インタビューもご覧になってみてください。
落語に興味がなくても大丈夫です。
オススメです。
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