蓮池薫さん講演会で知った北朝鮮の思いつき犯罪

昨夜、蓮池薫さんの講演会に行ってきました。

北朝鮮に拉致されて24年、帰国して16年。

今年は、拉致からちょうど40年というときにあたります。

講演のテーマは「夢と絆」。

はじめて聴く拉致被害者の生の声に、わたしは北朝鮮に対して幼い印象を持ったのでした。






北朝鮮の思いつきに翻弄された蓮池薫さんの人生

蓮池薫さんの話を聞いて感じたのは、北朝鮮の思いつきで拉致され、人生が翻弄されたということ。

拉致被害者は、日本だけでなく、世界中に存在しますが、拉致の目的は、いつ拉致されたのかによって異なる、と蓮池薫さんはおっしゃっていました。

蓮池薫さんによると、北朝鮮で生活した24年間の拉致期間において、3度の大きな変化があったそうです。


レバノン女性拉致→逃亡→北朝鮮から全員帰国

蓮池薫さんが拉致された1970年代後半のころの拉致は、スパイ育成のための人材獲得が目的だったようです。

蓮池薫さんも、拉致されてから「北朝鮮はすばらしい」という教育を受けたそうです。

このころ、各国から若い女性が拉致され、蓮池薫さんとおなじように「北朝鮮はすばらしい」教育を受けていたようです。

しかし、生まれた国から拉致されて北朝鮮に連れてこられ、自由を奪われ、自国よりも貧しいと思われる北朝鮮を、誰がすばらしいと思い、北朝鮮のためのスパイとなるでしょうか?

ちょっと考えればわかりそうなものだと思いますが、この計画は破綻します。

レバノン人の女性が4人、拉致されて教育を受け、実習で北朝鮮ではない第3国に出国したときに、「美容院に行きたい」と言われて見張り役の北朝鮮の男性を遠ざけ、大使館に逃げ込みました。

4人のうちの2人が逃亡し、北朝鮮の犯罪が暴露され、北朝鮮に残っていた2人のレバノン人女性も、その後、北朝鮮から帰国しています。

つまり、若い外国人をスパイにする計画は失敗に終わり、スパイ育成の教育が終わりを告げました。

これが最初の変化でした。


大韓航空機爆破事件

次の変化は、大韓航空機爆破事件の後でした。

レバノン人女性が逃亡したことで失敗した、外国人スパイ育成教育は、北朝鮮人に外国語や西側の社会風俗を教える教育へと変化します。

ここで、蓮池薫さんたち拉致被害者は、教育係へと変貌します。

大韓航空機事件は、北朝鮮工作員が、日本のパスポートを所持し、日本人のフリをして爆発物を大韓航空機に仕掛け、150人以上が死亡するという大事件です。

日本語を教えたのは、日本人の拉致被害者であることが解明されています。

この事件により、北朝鮮工作員を教育してもバレると理解した北朝鮮は、工作員の教育をやめてしまいます。

これが2度めの変化でした。


1990年 ソ連と大韓民国が国交樹立

大韓航空機事件のあと、教育係の仕事もなくなり、日本の新聞などを翻訳する仕事をすることになった蓮池薫さんは、3度めの変化を経験します。

それが、1990年に韓国と国交樹立したソ連(ロシア)によるものでした。

当時、北朝鮮をもっとも支援していたのがソ連でした。

頼りにしていたソ連が韓国と国交を樹立したことは、北朝鮮から見れば裏切りです。

そこで、北朝鮮はソ連から離れていきます。

ソ連の方も、その後ロシアへと変貌するので、北朝鮮の相手をしている場合じゃなかったとは思いますが・・・。

北朝鮮は、最大の支援国を失い、資金面でも食料面でも、大変な貧困を体験します。

1990年代後半には、飢餓により、国民の1割が亡くなっているそうです。

蓮池薫さんのお子さんたちは、当時、全寮制の学校で学んでいたそうですが、夏休みや冬休みに帰宅すると、あきらかな栄養失調状態でした。

学校での食事は、籾殻が混じっているようなトウモロコシご飯で、おかずは白菜や大根の塩漬けのみ。

育ち盛りの子どもが、こんな食事を与えられていたのだそうです。

このころから、北朝鮮は韓国や日本の支援を求めて、話し合いの席につくようになります。

日本からのお金と拉致問題はバーターの関係

つい最近の、トランプ大統領と安倍総理の会談のあと、北朝鮮に日本の支援(お金)は絶対に必要だとトランプ大統領が言っていたと記憶しています。

日本と北朝鮮の間では、支援(お金)と拉致被害者の帰国はバーター関係にあります。

しかし、ここで北朝鮮は浅はかな対応をしてしまいます。

小泉総理が平壌に出向いて、蓮池薫さんたちが日本に帰ってきたときのことです。

北朝鮮は、拉致被害者に関して、ウソでもいいから適当な報告をすれば日本は納得し、1兆円とも言われている賠償金(太平洋戦争時の)を日本からもらえるものと、簡単に考えていたようです。

しかし、日本はいまだに賠償金の支払いを拒絶しています。

それは、拉致被害者について、最初に、8名は死亡というウソをついたから。

中国はメンツ社会で、歴史的に中国の影響を受けてきた北朝鮮もメンツ社会です。

最初のウソを撤回すれば、メンツがつぶれると考えているのではないか、というのが蓮池薫さんの意見です。

しかし、今、最大のチャンスが訪れています。

蓮池薫さんいわく、北朝鮮はお金がほしい。

お金と、拉致被害者の帰国とでは、お金のほうが重いはずなので、拉致問題の解決には絶好のタイミングが到来しているのだそうです。

おりしも、第4次安倍内閣が整いました。

小泉総理の訪朝のときに内閣にいた安倍総理には、拉致被害者の気持ちが、誰よりの理解できていると考えたいです。