映画「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」観てきました。
「闇金ウシジマくん Part3」につづく最後の作品ということで、丑島の過去と現在が交差しながらストーリーが進みます。
わたしは原作をまったく知らない、映像化されてからファンになったわけなので、そもそもの人間関係というか、バックボーンを知りません。
原作を知らない人にとって、本作は謎解きにも近い物語でした。
愛のある闇金?ウシジマくん
丑島は冷酷非情のように見えて、理路整然としていて、しかも愛があるように感じていました。
金に溺れ、約束を守らない人には厳しい反面、きちんと返済しようとする人に対しては保護してやるなど、仁義の人が丑島なんだと思います。
今回は、そんな丑島にとって大切だった人物と、敵対してボコボコにした因縁の3兄弟が絡み合い、少年時代の丑島が描き出されます。
幸福な王子
幼なじみで丑島のウサギを預かってくれた竹本は、まるでオスカー・ワイルド作の童話「幸福の王子」のようです。
「幸福の王子」は、金銀宝石で飾られた王子の像。
あちこちを飛び回って様々な話をしてくれるツバメに、王子が自分の持っている宝石や自分の体を覆っている金箔を分け与えるていくという物語。
最後は、宝石もなくなり金箔の剥がれたみすぼらしい姿になった王子と、南に渡っていく時期を逃して寒さに凍え死んだツバメが残ります。
自己犠牲によって周囲を変えられると信じる竹本は、実は少年時代の丑島の写し絵ともいえますが、ふたりの間には、深くて越えられない溝=現実、が存在します。
搾取ではなく収奪
ファイナルでは、派手な舞台は登場しません。
貧困にあえぐ若者と、そんな彼らから奪う者たち。
搾取とは、資本家など金も権力も持った者たちが、自分が支配する者たちから奪い、搾り取ること。
収奪とは強制的に奪うこと。
本作では、同じような立場・バックボーンの者たちが、ホンの少しの差で奪われる者と奪う者に分かれます。
しかも、奪い方は収奪そのもの。
彼らのやり方を観ると、愛のある闇金ウシジマくん、とさえ思えてしまいます。
幅広いファン層を獲得
「闇金ウシジマくん」のファンは大学の先生にもいて、実は幅広いのです。
公開当日の品川で観ましたが、上は60代、下は30歳前後の人たちが見に来ていました。
最後となる本作で、丑島の過去と人間関係がわかったので、第一作から見直したいと思いました。
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