大学で教えていると、学生から就活の相談を受けることはたびたびあります。
もっとも多い相談は「土日休みの職場」に就職することです。
土日のないサービス業は嫌われる傾向にあります。
※キリスト教圏のサービス業の場合、土日休業が多いですし、法律で決まっている場合もあります。
それと、地元で就職することを前提にしているため、最近でこそ上向いてはきていますが、求人倍率も首都圏ほどではありませんし、業種や職種も限られますから、決して最良の環境ではありません。
それでも地元に残りたい。
地方都市に生まれ育って、実家から離れるチャンスでもある大学入学に際し、地元を選んでいる段階で地元志向は確定しているわけですが、学生と話していると、それって問題では?と感じることもあります。
ひとつは、親との関係です。
学生のなかには、自分がいなければ親も困る、という発言をする者も少なくありません。
家庭に特に問題もなく、ご両親も健在なのに。
なぜ、あなたがいないと親御さんは困るのかな?と問えば、精神的な依存関係の話になります。
親が自分を頼っているし、自分も親と一緒にいれば楽だし、と。
もう一つは経済的なこと。
親と同居していれば、金銭的には恵まれた環境で生活ができます。
茨城では車があるのはあたりまえですから、今より厳しい生活になるのはイヤ、という考えも一般的です。
それ以前に、大学入学時点での出費についても言及する学生がいます。
大学受験は都内の大学も受けたし、受かったけれども、入学金に授業料、生活費を考えると、地元の大学でいいか、という結論になるのだとか。
せっかく勉強したのにもったいない、と私は思いますが、学生にしてみると結構な負担らしいのです。
学生のなかには、奨学金と称する多額のローンを受けている者もいますし、社会人になったら親に返済する、と公言する者もいます。
親が、我が子かわいさのあまりに、金銭的に縛りつけているかもしれないのです。
首都圏大企業が、地方の大学生を狙っている、というニュースもありますが、地元志向には一朝一夕では解決できない面があります。
地方大生を首都圏に、というのはなかなか厳しいように思います。
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