一田 和樹 著「サイバーテロ 漂流少女
著者の作品を続けて読んでおりますが、本作はいろいろ盛り込みすぎかな、という印象を受けました。
ストーリーは面白いし、思春期の少年少女が置かれた現実にもうなづけるんですが、最後の最後まで読者を裏切ろうとしたところがわかりにくいかな、と感じました。
被災地で戸籍を変える、というのは、ミステリーでは古典的な手法過ぎて、アクロバティックな作風を期待している読者としては、少々肩すかしでしたし。
北を目指すなら北朝鮮くらい、ぶっ飛んだ感が欲しかったです。
著者が、どうあっても主人公を救ってあげたかったのかしら?と、ちと思いました。それだけ愛情を注いだ作品なのかもしれません。
本作の主人公である少女の生い立ちを描いたサイドストーリーもあったりして、それはそれで興味があるけど、すごく読みたいかと問われると、ちょっと引くかな~。
きっと壮絶な経験してるんだろうし、読んでうなされるような気もするし。
サイバーセキュリティに関する現実を網羅しています。
設定もおもしろいです。
一気に読めます。
が、私には、重たすぎる作品でした。
サイバーテロ 漂流少女 | ||||
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