老舗企業の社史に見るイノベーション




最近、100年を超える2つの企業の社史を読む機会を得ました。
どちらも、昭和の幸せな時代にまとめられたものです。

明治初期に始まる創業から、社史がまとめられた時点までの会社の移り変わりと、時代によって翻弄された様が、どちらの社史にも、色濃く描かれています。


三井倉庫の社史は、50年史と80年史があります。
50年史のほうは、倉庫というものの歴史まで遡り、倉庫業として、どのように事業を展開し、そして発展してきたのか、が描かれています。

戦時下には、三井銀行の子会社から、三井物産の子会社になるなど、時代背景を考えればうなづけることも。

アジア進出が盛んだった、日本の近代史の裏側を支えた企業の一面が垣間見えます。
なにしろグローバル!
アジア全域に支社・営業所がありました。


もう一つは、三菱製紙販売の社史は60年史でした。
合併にともない、社名が変更されるという中で制作された社史のためか、大変に前向きな結びとなっていました。

特徴的なことは、従業員の活躍を明記していること。
同じ戦時下でも、従業員の誰それが、焼夷弾から社屋を守った、というような記述が出てきます。
また、給与や手当などについても、細かく記載されており、家族的な経営に近いお会社であったことがうかがえました。


どちらの社史にも共通していえることは、会社が損害を受けた事件や事故について、事細かに記載していることです。

社史だから、こそ書いたのだと思います。
失敗を社史で開示することで、今後の教訓としよう、ということなのかもしれません。


また、100年を超える企業だからこそ、なのかもしれませんが、様々な方面への取組が早いです。
たとえば、三井倉庫では、管理会計を昭和50年には取り入れています。
いまでは当たり前の会計手法ですが、コンピュータとインターネットが発達したからこそ実現しているといっても過言ではないでしょう。

そろばんがまだ現役だった時代の管理会計が、どの程度のものだったのかはわかりませんが、導入して運用していたことに意味があると思います。

同じように、三菱製紙販売では、昭和40年代中ごろには、販売量に合わせた在庫管理を行っていました。

どちらの企業も、コンピュータの走りのミニコンを導入して実現させていたようです。