【本間 洋平】 「家族ゲーム」


家族ゲーム (集英社文庫)」を読了。

森田芳光監督の映画「家族ゲーム [DVD] 」が有名で、しかもインパクトがあったので、よもや原作となった小説があったとは知りませんでした。

この春から、櫻井翔主演で放映されているドラマを観て、映画とは違うなぁ、と感じていたところ、原作があったことを偶然知り、手に取りました。


原作は、1980年代前半の、核家族化が進んだ郊外の住宅地、という設定のようです。

最近では、三浦展氏が、「東京は郊外から消えていく! 首都圏高齢化・未婚化・空き家地図 (光文社新書)」として描いた、郊外です。

三浦氏の著作は非常に示唆に富んでおり、近未来を予知するかのようですが、「家族ゲーム (集英社文庫)」を読んでみて、まさにこれが郊外の家族の姿だったのだ、と感じました。


おそらく戦前か戦中うまれと思われる両親は、息子たちと共通の言葉を持ちません。
息子たちは、自らの生活環境を楽しんでいるわけではなく、たんたんと受け入れるだけ。
そこに、家庭教師の吉本がやってきます。
そして・・・。

ドラマとはかなり違いますし、映画とも違う印象なので、興味のある方は、ぜひお読みになってください。
読後感は・・・、寂寥というか、焦燥というか。


ドラマのほうは、終盤に入って、いよいよ謎が深まっていますね。

第7話での、櫻井翔の涙が印象的でした。ぽろっとこぼれる涙を流せるなんてスゴイ。

「ゲーム・ショウ」も良かったですが、こういう、ちょっと変わった役柄をやると、櫻井くんの良さが出るみたいです。

このあとの、悲劇的な幕切れ(とかってに予想してます)が楽しみです。



家族ゲーム (集英社文庫)

本間 洋平 集英社 1984-03-19
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