29年ぶり、12月の総選挙

Economist.com より
今朝ほど、シンガポールのニュース番組で、総選挙関連のニュースが流れていました。
日本国内では、第3極という勢力の離合集散の話が中心になっていますが、海外では、自民党の安倍晋三総裁が話題になっています。

先ほどのシンガポールのニュースでは、外交において感情的にならないようにと語る野田首相に対して、感情的強硬論の安倍晋三、という対比で描かれていました。

ニュースの中では、明確に対中国強硬派、と位置づけられていましたので、中国政府から見れば、安倍晋三自民党政権が発足すれば、相手としてはやりやすい、と判断されているはずです。
これはあまり得策ではないですね。

明確なアンチ中国的な対外強硬論は、国際情勢を見ていない、ドメスティックな感情論者としてしか映りません。

というわけで、11月14日に Economist.com に掲載されたニュースの簡約を紹介したいと思います。タイトルは「Politics in Japan: The "Kamikaze" election」です。”神風”というところが恥ずかしいです。
以下、簡約です。


野田首相は、衆議院を解散し、12月16日を投票日とする院総選挙を行うことを突然発表した。
これは、自民党総裁の安倍晋三に歓喜をもって迎らえれた。彼は2009年時点に戻れると確信しているからだ。一方、なぜ野田首相はこんなに早く、総選挙を決意したのだろうか。世論調査では政権を失うことが示唆されているにも関わらず。

その答えは、首相という座についてかなりのことを暴露するかもしれない。なぜなら、彼が正しいと信じることを実行するために、党を破滅させるかもしれないからだ。民主党の多くは、できるだけ長く政権にしがみついていることを野田総理に要請してきた。そして、安倍晋三に対しては、以前のように、そのうちへますることを望んでいる。

にもかかわらず、野田首相は党内の意見を覆して、2つの条件を設定しただけで、解散した。
まず、彼は赤字国債発行法案へ自民党が賛成すること、次に国会議員定数の削減に対して次期政権がコミットメントすることを求めた。
これらは、安倍晋三にとって、政権に返り咲くための代償としては小さなものである。

安倍晋三が国会で野田首相と対峙した討論では、野田首相は、自分が正直な人間であると宣言し、選挙時期を正当化しようとした。彼は、8月にも解散することを自民党に約束し、野田首相はこれに固執した。野田首相を知る人間によると、日本の将来に関して厳しい決断を下すという思いに突き動かされている、と言われる。しかし、これは党内にも不人気である。

今年初め野田首相は、2014年に開始予定の消費税増税にあたって、自民党が民主党案に同意することを説得した。また赤字国債法案は2015年に適用されるが、これは将来の政権が、この問題でハイジャックされないように、ということだ。

野田首相のいくつかの決断は、民主党内を混乱させ、最新の世論調査では、政権支持率が18%にまで低下した。
5年以内に、3回目の経済危機が始まるかもしれない時期の選挙もまた、民主党は恐れた。
11月12日に発表された第3四半期のGDPは、前年同期より0.9%下落。第4四半期はさらに悪化するものと予測されている。

それ自体はそんなに悪くはなくとも、TPPとして知られる、米国および他の10か国と自由貿易協定について交渉を始めるという野田首相の運動に、民主党の同僚は恐れをなした。
11月13日の朝日新聞の世論調査では、TPP賛成が48%と高いが、賛成派よりも反対派のほうが声が大きい、非常に大きな論争である。
安倍晋三と自民党は、農業ロビーに迎合し、TPPに反対している。

上智大学の政治科学者、Koichi Nakanoは、「党首は、選挙前に不人気な政策を押し通したりしません。それは選挙で惨敗することだからです」という。

野田首相は崇高な理想家ではないかもしれない。そこには、ほんの少しの政治的計算があるかもしれない。迅速な選挙は、第3極と呼ばれる小さな政党が結集し、政権に挑戦することを難しいものにするだろう。
そしてそれは、来年6月に予定されている参院選の前に、安倍晋三がしくじる十分な時間を与えることになるだろう。
何人かは、野田首相が、民主・自民の双方がTPPに賛成に協力を構築しているかもしれないと推測している。

野田首相はがけっぷちの政権にあるかのように見えるが、背後は、政権から追い出された屈辱の3年前と同じ、ほとんど改革していない自民党である。つまり、野田首相の善意にとって、自民党は失敗の遺産となるだろう。



安倍晋三は「失敗する人」として評価されているようです。
野田首相は、海外メディアからは好感をもって迎えられているようですが、結果はどうなるか、わかりません。