真夏の方程式

東野圭吾著「真夏の方程式」を読了。
ガリレオシリーズの、たぶん最新作です。
先週金曜日まで、フジテレビでかなり古い作品のドラマ化が行われていて、気になったので手に取った次第。

この作者の作品はかなり読んでいるからかもしれませんが、全体の1/5くらいまで読んだところでプロットがなんとなく浮かんできてしまい、あとは自分の仮説を確認するために読み進める、という感じでした。

ミステリの場合、仮説検証のために最後まで読む、という研究のような読書が成立します。これはミステリファンなら誰しも経験があると思います。

すばらしい作品であれば、仮説検証ではなく、作品世界に遊ぶことができるのですが、そうでもないと研究論文書くために読む、に近くなってきます。

そういう意味では、「真夏の方程式」は、「流星の絆」ほどの出来とは言えないと思います。映像化しても、ちょっとつまらないかも、ですね。
要素としては、初期のガリレオから離れて加賀路線的です。

仮説検証的に読むミステリファンもいるのかもしれませんが、私は、仮説検証ではなく、ラストにたどり着くスピードが小説とほぼ同じ、という力を持った作品が好きです。

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