珍妃の井戸

珍妃の井戸 (講談社文庫)」を読了。
「蒼穹の昴」の続編で、実際にあった珍妃が井戸で死んでいた事件を題材にとったものです。

登場人物は多種多様ですが、歴史上の人物が独白形式で語っていくので、比較的読みやすいと思います。

この作品が最も言いたかったことは、最後にある珍妃の独白だと思います。

清国が欧米、特に英国から受けた被害は甚大でした。

私自身、英国の歴史を専攻していたので、中国と英国との関係には気持ちが悪くなるようなものが多いことを承知しています。これはアフリカでも同じようなことが行われていますが、大英帝国の名のもとに、数々の略奪が実際に行われていました。
その結果、いまだにその時代から抜け切れていない国すらあります。

一人の美貌の妃を取りあげながら、欧米列強が行った19世紀末の行いを赤裸々に描いている作品だと思います。


珍妃の井戸 (講談社文庫)

浅田 次郎 講談社 2005-04-15
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by ヨメレバ

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