アゲハチョウ幼虫失踪事件

我が家のベランダには、10年以上育てているグレープフルーツの木があります。花も咲かず、実もつけませんが、地上50メートルほどのこの場所にアゲハチョウを呼んでくれます。
毎年この高さまでよくぞいらしてくれました、とアゲハチョウには頭が下がるのですが、彼女たちの目的は産卵です。柑橘系の植物に卵を産み付けるのが、彼女たちの特性だからです。

例年ですと、アゲハチョウ対策のために虫がつかなくなるための農薬を撒いておくのですが、今年の猛暑で植物がすっかり弱っていたので、害虫対策を怠っておりました。
私は虫が苦手ではありませんが、唯一、芋虫・毛虫はまったくダメでして、嫌いなので誰よりも目ざとく見つけるという特技を持っています。

ですから、アゲハチョウの幼虫をグレープフルーツの枝先に見つけた時には、飛び上がりそうになりました。だってその距離、わずか数十センチ!朝の水やりの最中のことです。
その幼虫は体長約4センチ(私の眼には40センチくらいに見えましたが・・・)、かなりの大きさで、あと1週間もすればサナギになっちゃうのではないか、という感じでした。

嫌いとはいえ、自宅からアゲハチョウが巣立っていくのもいいなぁ、と思い、恐怖心を抑えつつ、そのままにしておりました。
翌日は相変わらず枝先におりました。しかしその翌朝、どこにもあの幼虫の姿が見えません。まさかサナギに変態したのかと思って、しっかりと探したのですが、どこにもいません。その代わりにまだ黒い幼虫が見つかりましたが・・・。

実は、アゲハチョウの幼虫が大きく育ち、枝先に姿を見せるようになると、その数日後には姿を消すという連続失踪事件が、この夏我が家のベランダで起こっているのです。
私が確認しているだけでもすでに3匹も!
そして今また、成長して枝先に姿を現している幼虫が1匹います。この幼虫も数日のうちに姿を消すに違いないのです。

というのも、私にはこの連続失踪事件の犯人に見当がついているからです。
その犯人とはスズメバチです。
最初にその姿を発見したのはちょうど1年前でした。都会のこんなところにスズメバチがいるなんて、と驚いたのですが、よくよく考えてみれば、周囲には広い庭のある大使館やお寺がたくさんあります。そのどこかにスズメバチがいても何の不思議もありません。

そして、つい3日ほど前のこと、我が家のベランダを我が物顔で物色しているスズメバチと遭遇したのでした。幼虫は緑色に代わり、体も大きくなって、安心して枝先に姿を現しているのですが、その時を待っているスズメバチからは逃れられないのでした。

これ書いてて、首筋が気持ち悪くなってきちゃいました。
本当は幼虫の写真を載せようかと思ったのですが、写真を撮ることができませんでした。あしからず。