シンプル族の反乱


シンプル族の反乱」を読了。
いつも詳細な調査データで説得力のある自説を展開する三浦展氏の著作です。

著者は団塊ジュニアに関する調査・研究では、おそらく第一人者だと思いますが、今回も団塊ジュニアを中心に広がっているモノを買わない人々について解説しています。
いずれも、先日まで学生たちと百貨店の転落がなぜ始まったのか、をずーっと考えていたため、すんなりと私のなかに入ってきます。

本書によると、シンプル族とは次のような特徴を持っています。
ソーシャル・キャピタル(特に人的ネットワーク)を重視し、環境への配慮が高く、社会貢献をキーワードとした消費に積極的な人々です。
これらには、この数年、学生たちが企業への課題解決プランとして出してくるテーマがいずれも含まれており、まさしくシンプル族が増加してきていることを実感しています。

三浦氏は最後に「消費社会」から「共費社会」への転換が始まっており、これまでのような発想の企業、すなわちモノを買わせるだけしか考えていない行動企業はすべて壊滅するだろう、と予測しています。これは予測というより予言かもしれません。消費者はとても賢く、企業の論理を鋭く見破る力を備えており、しかも一部の敏感な消費者がネット社会では影響力のある発言を行うためです。

ちなみに共費社会における原理として、著者は次の6つを掲げています。

1.物の私有のみにこだわらず、借り物や共有でもいいと考える
2.他者とのつながり、共同(協同)、共感に価値を置く
3.そこから必然的に、資源、地球環境を、自国だけ、人間だけのものと考えず、地球上の他の人間、他の生物との共有物であると考える
4.したがって様々な国や地域の文化を認め、積極的に取り入れようとする。
5.新しい物をいたずらに追い求めるのではなく、古いものの価値を認め、味わおうとする
6.機械文明に過度に依存せず、生活の基本を大事にし、手仕事を重視する

わからない人にはわからない価値観を持ったシンプル族が、日本の中心世代となる日はそこまで来ています。