新聞社 破綻したビジネスモデル

「新聞社―破綻したビジネスモデル (新潮新書)」を読了。1年前に購入していたのですが、手が伸びずにほうっておいた本です。広告論の講義の参考になるかなぁ、と思って買ったのですが、届いたときには新聞の回を終えていたため、1年も放っておくことに・・・。

著者の河内孝氏は、毎日新聞社の常務取締役まで務めた方です。退任されてからこれを上梓したので、直前までかかわっていた経営の視点で書かれた提言を非常に興味深く拝読しました。

その提言とは、読売・朝日の2大新聞に対抗可能な第3極を作るために、毎日・産経・中日の3紙が業務提携することで、スケールメリットと各社の得意分野を生かそうというものです。第3極を作ることで健全な産業としての新聞社へと再生させたいという著者の強い意思を感じました。

というのも、この提言の前段には、新聞社が販売コストに40%もかけているいびつな産業構造であることや、正常とはいえない販売拡張手法、そして自らがメディアを支配することになりふり構わずになっている新聞社とテレビ局ネットワークの関係など、不健全性について多くのページを割いているからです。

もはや新聞社は大衆のものではなく、権力でしかない、という著者の視点は、まさに購読者心理を言い表しています。
私自身も長いこと新聞を購読していませんが、著者が指摘する講読者心理にいちいちうなづきました。ただのニュースならインターネットで読むだけで十分ですし、新聞紙はゴミの山、ダニの温床です。捨てる手間さえ面倒です。

この本が書かれた2007年より、今はさらに新聞社を取り巻く状況は悪化しています。テレビ局も同様です。この先どのように巨大メディアが選択していくのか、これからも注視したい分野です。