ミレニアム1

「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女」を一気に読了。
スウェーデンで誕生した、一種の推理小説です。ミステリーとしては、富豪の大家族、聖書と連続殺人、ハッカー、タックスヘイブンといった要素が目白押しです。むしろ広義のエンターテイメント小説としたほうが良さそうな印象です。

著者は既に亡くなっていますが、死後に全3作が出版されています。実際には全5作になる予定だったそうですが、作者が突然の死を迎えたため、シリーズとしては未完となってしまっています。
しかしそういうことを含めて読んでもかなりの完成度です。既にスウェーデンでは映画化され、ドラマ化も進んでいて、DVDで日本でも見ることができます。

ストーリーは複雑で、たくさんの人が入り乱れています。主人公が抱える問題のほか、依頼された問題も複層化していて、主人公は大忙しです。成人しているにもかかわらず法的庇護下にある、一種の禁治産者扱いの天才的なリサーチャーが彼のアシスタントというか、”相棒”となっていく過程も絡んできます。早く次作を読みたい、と思わせる内容です。
依頼された問題の解決の仕方や、自らの問題を解決する最後は、「チーム・バチスタの栄光(宝島社文庫 599)」の田口に通じるしぶとさがあります。

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