ジャニーズ事務所と任天堂

年末年始はいつも家族と過ごします。そのため、テレビ番組を見ることが多くなるのですが、テレビ好きの姪は、毎日新聞のテレビ欄をチェックしては「今日も面白いのがない」とぷりぷりしていました。それもそもはずで、彼女の世代がテレビからインターネットに移っていることから、テレビ局の放送事業が傾き始めているためです。「暇なときに面白い番組が見たければ、テレビをもっと見なくちゃね」と姪に言ったところ、それはないなぁ、という反応でした。

さて、そういうことなので当然のことながら31日はNHK紅白を見ました。フジテレビとの相互放送で視聴率を稼いだ「羞恥心」の登場には、それこそNHKの羞恥心をかなぐり捨てた態度が見て取れましたし、中島みゆきに始まった中継ももはや定番になった様子でエグザイルが登場するなど、紅白のためにNHKホールに集まっている他の出場者の心模様が見て取れるようでした。いっそのことカウントダウンライブをしている人たちを全部中継しちゃえばいいのに、と思ったくらいです。「羞恥心」に至っては紅白終了前にフジテレビに登場するという(おそらく)前代未聞の行いで、私は本当にNHK紅白の力が低下していることを感じた次第です。

昨年最も活躍し、芸能に興味のない大人にも認知された存在といえばジャニーズの「嵐」ですが、彼らが紅白に出ていなかったのも、ある意味異例と言えるかもしれません。多分、SMAP、TOKIO、と2グループも出しているので、同じ事務所から3組は・・・、という配慮があったのかもしれませんが、実は紅白終了直後に始まったカウントダウンライブのほうが事務所的には大事だったからかもしれませんね。
ジャニーズのカウントダウンライブは、私の認識では、数年前からテレビ放送されています。今年は最初から最後まで見ましたが、「嵐」がMCを行い、もちろん主役です。1時間の放送時間を精力的にヒット曲を歌いながら、ファンサービスをする模様が映し出されますが、ジャニーズのヒット曲の多くを、ほぼ知っているという自分にも驚かされます。それだけ知れ渡っているということでもあり、ドラマの主題歌になっているということでしょう。
紅白に遠慮してか、11:45分に始まった番組はあっという間に終わりましたが、カウントダウンライブは東京のほかに、大阪、帝国劇場と中継され、それぞれ同時進行で進んでいきました。これだけのことができるジャニーズなら、紅白の地位低下がもっと進めば9時台から始めてしまうことも可能です。そうなれば紅白の視聴率は20%を切るかもしれません。

テレビ局の体力低下が際立ってきた数年前から、各局とも制作を含めた丸投げ方式が増えてきたように思います。古くは渡辺プロダクションに始まり、ドリフターズの番組などはその代表例ですが、最近では吉本興業とジャニーズが目だって増えているようです。いわゆる「○○枠」のような時間帯も存在するみたいですね。
テレビ局がいわゆる設備産業として放送波を流すことだけに徹するという事業方針ならともかく、こういう丸投げ方式は自らの体力をさらに落とす行為だと思います。インターネットに動画含め、テレビ視聴が移行している今、コンテンツ制作の能力があり、人を集めるコンテンツの素材(この場合は所属タレント)を豊富に所有しているところが勝利するに決まっています。

今はテレビの前に座る人が多いからをジャニーズ事務所も放送波を利用しているでしょうが、3年後、5年後には任天堂のWiiでジャニーズのカウントダウンライブを見ているかもしれません。F0、F1層にはゲーム機のほうがなじみがありますし、ファミリーで遊ぶことができるWiiはシルバー層にも人気が高いためです。そうなればテレビ受像機は単なるモニターと化し、インターネット経由で番組視聴を行うことが一般的になるでしょう。
任天堂は革新的な事業に乗り出す遺伝子を持った企業です。初代ファミコン以来ゲーム業界の雄ですが、彼らの基本的な理念は、顧客満足を高めることに徹しています。かつてはファミコンのゲームカセットの書換サービスを(たしかコンビニで)行ったり、結局挫折しましたが、CS(セイントギガ)を利用して通信によるゲームの書換やバージョンアップも行ったりしています。任天堂は20年以上前から通信サービスによるゲーム提供を考えてきた企業なのです。その集大成がWiiであり、今度はじまるDSiだと考えます。

テレビに取って代われる能力のあるプラットフォームを持った企業は結構存在します。そういう目で今年は世の中を見ていきたいと思います。