ハイエク 知識社会の自由主義


池田信夫先生の「ハイエク 知識社会の自由主義 (PHP新書 543) 」を読了。
少々時間がかかってしまいましたが、池田先生の文章は明快で頭に入りやすいので、読み始めると一気に読めます。私の場合は、時間が切れ切れになってしまったので、時間がかかってしまったしだいです。

この本はノーベル賞も受賞した経済学者ハイエクの紹介といった内容です。しかし、ハイエクの伝記のようなものではなく、むしろ経済学を理解するための入門書としても楽しめると思います。事実、経済学を学ばなかった私でもおおよその経済学史が理解できました。
ちなみに、ハイエクの再評価については、サッチャー・レーガン時代に遡ることを初めてこの本で知りましたが、既に20年以上、英米と日本の政治・政策とはズレがあるのかと、変なところでがっかりしてしまいました。

普通の人は情報をすべて持っているわけではないから合理的な判断ができない
人は前例を好み、選択肢がたくさんあっても決まった行動をとる場合が多い

などというのは、消費者を徹底的にリサーチしているようなマーケティング畑の人間にとっては当然のことも、学問として考える場合には前提条件になりにくいために、人はすべての情報を共有していることを前提条件にして論じる、なんてことになってるみたいです。
民間企業出身の大学教授のなかには、「経済学」学、「経営学」学と揶揄する方もありますが、アメリカの金融破綻に対して多くの経済学者がWebで意見を出しているアメリカの様子を見れば、それは日本がやや遅れているということを示しているに過ぎないと思います。
早く追いついてほしいですが・・・。

以前シュンペーターの本を読んだときにも書きましたが、いわゆる大陸法が憲法を中心とした中央集権的な法体系であるため、融通が利かない。池田先生によると、日本は「超大陸法」型なのだそうです。いつだったか、憲法改正の選挙は18歳以上になったとき、他の法律は20歳以上だけどこれをどうするか、という議論が起こりましたが、これが典型例でしょうね、きっと。
こんなことに労力を費やさなければならないのが大陸法の欠点であり、官僚がはびこる最大の原因だと思います。
日本の官僚機構を解体するためには、そもそもの超大陸法型の法体系をすっぱりやめなければ始まらないなぁ、と改めて感じました。