企業通貨マーケティング


野村総研が出した「企業通貨マーケティング―次世代「ポイント・電子マネー」活用のすすめ」をやっと読了。
そもそもこの本を読むきっかけになったのはある仕事のためでした。野村総研が3月13日に出したニュースリリース「ポイント・マイレージの2006年度発行額は6,600億円以上、2012年度は7,800億円超に」に触発され、いろいろと面白いビジネスモデルが考えられそう、ということで読み始めました。

このリリースは、航空、流通、家電量販、クレジットカード等、国内9業界の売上上位企業(ポイント・マイレージを提供している企業に限る)が2006年度に発行したポイントやマイレージなどの金額を推計したものです。金額の多さにまずは驚きますが、本書を読んでさらに驚きました。

この本が指摘している最も重要と思われることは、第8章に記された「ポイント会計の国際動向」でしょう。国際財務報告解釈指針委員会(IFRIC)が昨年、ポイントを含むロイヤルティプログラムの取扱いについて、一律に売上分割方式を採用することを明らかにし、2008年7月以降の会計期に摘要する予定となったことです。

従来は引当方式、つまり発行したポイントのうち費消するであろう費用とそれにかかる経費を引き当て、売上も利益も投機に計上するとされていますが、売上分割方式は、本体の商品だけではなく、ポイントもまた販売された商品であると考える立場です。よって、ポイント分の売上を、本体商品から分離した上で繰り延べることになります。
ですから、最初に示された巨額の、現在は引当方式ゆえに計上されていないであろう売上が存在するというわけです。企業にとっては恐ろしい話です。
しかも昨今、会計基準を国際標準に変更する話が出ていますので、電子マネーとともに盛り上がっているポイントプログラムに水を差す可能性があります。

また、電子マネーはプリペイドカード法によって規制されているということも本書によって初めて知りました。テレフォンカードが発行されたときに聞いた以来のプリペイドカード法です。
Edyや楽天マネーなど、ギフトとして扱えるものがある場合、こんなことができますよね。
ポイントを電子マネーに交換して、これをギフトとする、なんてことです。この場合、どこまで法的に規制されるのかわかりません。

またある商品の決裁手段として、Edyや楽天マネーのギフト機能を利用した場合、多分脱税にあたると思うのですが、こういうことにもまだ目が行っていないような気がします。
最近では経済産業省や金融庁がいろいろと検討しているようですが、自由度が高いからこそ面白いビジネスモデルが考えられるので、細々とした規制は設けて欲しくないですね。
ただし、電子マネーのギフト機能などには、株式のように一定の水準で課税するなどして薄く徴収するような仕組は必要だと思います。