学生にとって面白い授業とは

昨日は散々な天気で、帰りの常磐線は満杯でした。風に弱い常磐線は、すぐに止まったり、スピードダウンするので、東京から通うのは少し大変です。

サービス産業論は課題解決型の授業であることはすでに説明しましたが、これを続けていくには、経験者のサポートが必要です。
私が担当するのは今年からですが、それより前に10年間という長きにわたって、この授業を担当しておられた先生はゼミとして取り上げておられました。ゼミ生の間でノウハウの伝授が行われ、先輩から後輩へのサポートがあってはじめて成立していたのです。

ところが私はゼミを持たない非常勤です。
そこで活躍してくれるのが、既に単位は取得した学生たちです。彼らをサポートグループと呼んで、今回は協力をお願いしました。彼らは今回が2回目という学生のほか、すでに3回目という学生も含まれており、私としては力強い限りです。他の授業を通じて、顔と名前も一致している、学内で会えば必ず声をかける学生たちです。

彼らとの連絡や情報共有は、Googleグループを利用しています。
私が週に1回しか大学に行けないうえに、行けば授業で忙しいためです。それに、彼らが社会人となったときに、Webを利用して作業を進めることは往々にしてあることですから、そういう練習のためにもネットを通じたグループワークにしました。

彼らには、初履修の学生たちに、自らの経験からわかったこと、社会人として必要なこと、などを伝えてほしいと思います。
彼らが何度も、この厳しく長い道のりに再度チャレンジしてくれるのは、最終プレゼンまで到達したときの達成感や、中身を検討していく過程で好奇心が満たされていくことのほかに、メンバー間で共有する時間があると思います。

突然ですが、自分の学生時代の話を書きます。
私は不真面目な学生だったので、授業は好きな先生以外はほぼ欠席で、テストだけ受けるような状態でした。その時間に何をやっていたか、というと、バイトです。
そのバイトというのは、ダイヤルサービス株式会社が当時セブンイレブンから請け負っていた、一種のマーケティング機能をもつビジネスでした。

通信が自由化され、子供が電話を使い始めた頃で、中高生が大学生と話をするために電話をかけてくるのです。時間帯は夜7時から11時まで。原宿のスタジオには大学生が集まり、全国からかかってくる中高生とおしゃべりをします。話した内容はすべてメモにし、会話の流れにそってまとめます。これらから固有名詞を抜き出し集計することにより、世の中のトレンドを見つけ出していくのです。
これらを毎月セブンイレブンの本社でプレゼンするための報告書としてまとめ、そして実際にプレゼンもおこなっていました。
原宿にスタジオがありましたし、そもそも原宿が流行の発信源のような場所になっていましたので、ビデオカメラで通行する若者にインタビューしたり、店舗を取材したりして、これを編集してプレゼンで見てもらうことも度々でした。

時にはセブンイレブンの方々がスタジオにいらっしゃり、新商品について意見を求めることもありました。大学生の率直な意見がほしいというわけです。当時のセブンイレブンは今ほど大きくなく、CVSという業態のさきがけとして試行錯誤をされていましたので、成長の途中過程で、企業と一緒になって考えたり、悩んだりできました。
また報告書を作るにあたっては徹夜も度々でした。
いま思えば、なんと効率の悪い仕事ぶりか、という状況だったに違いないのですが、仕事をしながらおしゃべりする内容がメンバー間の情報として大切なものだったように思います。

こういうバイトはごく稀なものですが、大学で学んだこと以上に私自身の役に立っています。
企業の課題に対して答えを出す。こんな楽しい仕事はありません。

学生には、授業を通じて当時の私と同じような気持ちになってもらいたいと考えています。