数学の力

大学の講義の中で、数学の重要性について度々話をします。
私自身は大学は理数系に進んだわけではありませんが、高1までは理数系を目指していたので、数学は決して苦手ではありません。
むしろちょっと凝った計算問題などは大好きなので、数字には馴染みが深いといえます。それが理由なのか、学生時代からマーケティングリサーチの仕事などをはじめ、現在に至っています。

マーケティング論」では、特に数学、というよりも算数が重要です。
損益計算をする場合にExcelの表を作成させます。四則演算さえわかってしまえば、Excelで計算させることは簡単だからです。難しい関数のまえに、加減乗除のルールをよく理解できていることのほうが大切なのです。

また数学は、論理的な思考力を育てるための学問です。
図形の問題で証明を行うのは中学生になってからですが、わかった事実を積み重ねて、結論を導き出す、という作業はマーケティング・リサーチの基本です。論理的な思考と、それを数字で明らかにする力が、社会人には求められています。

数字で事業内容を表すのが、損益計算書であり、事業計画であり、予算計画です。
私は企業の中期計画や事業計画を作ることが多いのですが、計算好きのおかげと長年の経験で、数字を扱うのは得意なほうです。概算で数字をつかむこともごく自然にできます。

ところが、実社会には数字で物事を語ることが苦手な方がたくさんいます。
論理的な思考というのは、数字を積み上げた計画のバックボーンもまた数字で説明されていることを示します。数字でなくとも、誰もが納得する理屈の積み上げによって構成されます。
論理的な思考を数字で組み立てる作業ができないと、どんなに良いアイデアを持っていても、それを他者に理解してもらうことができません。

私の「マーケティング論」では、最終的に学生のプレゼンを私以外の先生に聞いていただいて、その先生に成績をつけてもらうことは以前書きましたが、学生には銀行の融資担当者に向かって説明できるようにしなさい、と説明します。もちろんご協力いただく先生には、銀行の融資担当者のつもりで聞いてください、とお願いします。

実社会において銀行に借金を申し入れる事態に、いつなんどき陥るかわかりません。
そんなとき、この授業を思い出してもらえれば、と思います。