大学で教えていること(1)

私は茨城県水戸市にある常磐大学というところで教えています。今年度で2年目。4月からは3年目になります。
守備範囲は、マーケティング、広告、流通といったビジネスの根幹に近い部分です。
4月からは、これに「課題解決型」として実際に企業から課題をいただき、これをグループワークで解決できるプランを作成、最終的には経営陣向けにプレゼンテーションするというものです。
他に地域の産業力を確認するフィールドワーク型の授業も計画しています。

マーケティングでは、新規事業を立ち上げるときに必要な最低限の考え方、やり方を講義形式で行い、その後は「水戸で飲食店を経営する」として、グループワークをさせます。
グループワークの中では、TPC(ターゲット、ポジショニング、コンセプト)について検討し、具体的な店舗イメージ、メニューと価格、サービス内容などを決めます。
これを元に、実際の損益計算を行います。
そして、最終的に別の先生に銀行の融資担当役になってもらい、各グループのプレゼンから融資してよいかどうかを判断していただきます。

リアルビジネスにおいて、アイデアだけでは誰も説得できません。
学生にはこの点をきちんと説明し、誰もが納得するような資料を作るように言います。
またリアルビジネスにおいては、利益を出すことが最も重要なポイントです。そのために損益計算をさせ、自分たちが考えたビジネスは利益を生み出すのかを確認させています。

マーケティングは実学です。
実学では、理論を理解できればいいわけではありません。理論はビジネスの骨組みを考えるためのツールであり、効率よく検証するためのものです。
またインターネットと携帯電話の普及により、従来のマーケティングでは考えられなかったような方法論が実装できるようになっています。
過去の考え方が必ずしも正しいわけではないことは、「顧客経験価値」といった言葉が出てきていることでも明らかです。

マーケティングの基本は、自らのターゲットを研究すること。そして時代を読むことです。
学生には、リアルなビジネス感覚に近づいて欲しい、と常に思っています。

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